研究課題/領域番号 |
13460015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米森 敬三 京都大学, 農学研究科, 教授 (10111949)
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研究分担者 |
佐藤 明彦 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構, 果樹研究所・ブドウ・カキ研究部, 主任研究官 (30355440)
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10211997)
山田 昌彦 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構, 果樹研究所・ブドウ・カキ研究部, 研究室長 (00355439)
神崎 真哉 近畿大学, 農学部, 講師 (20330243)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2001年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | カキ / 羅田甜柿 / PCNA / 甘渋性遺伝 / タンニン生合成 / 遺伝子発現 / タンニン |
研究概要 |
従来、中国には甘ガキが存在しないとされてきたが、1982年、羅田県に完全甘ガキ'羅田甜柿'が存在することが報告され、その後の調査から、'羅田甜柿'と日本の完全甘ガキ品種との交雑により、その後代に完全甘ガキ個体とともに渋みの強い個体が高率で出現することが示された。そこで本研究は、'羅田甜柿'の甘渋性遺伝の特異性を明確にし、分子生物学的手法を用いてその機作を解明する事を目的として実施した。 まず、完全甘ガキと非完全甘ガキを決定する要因が果実中のタンニン細胞の大きさであることを明らかにした後、'羅田甜柿'と日本の完全甘ガキの交雑によって分離した渋みの強い個体がタンニン細胞の大きさが大きく、完全甘ガキ以外(非完全甘ガキ)であることを確認し、'羅田甜柿'の甘渋性形質の特異な遺伝を証明した。 次に、'羅田甜柿'果実のタンニン化学的特性を調査したところ、'羅田甜柿'果実のタンニン分子量分布やアセトアルデヒドとの反応性は日本の完全甘ガキと異なり、その分子量が大きく、また、アセトアルデヒドとの反応性も高いことが証明され、'羅田甜柿'果実のタンニンの化学的特性は日本の非完全甘ガキ品種と酷似していることを示した。 さらに、果実へのタンニン蓄積に関与するフラボノイド生合成系遺伝子群の発現を経時的に調査したところ、日本の完全甘ガキはそれら遺伝子群の発現が7月にはほとんど消失しているのに対して、'羅田甜柿'は日本の完全甘ガキとは異なった遺伝子発現の消長を示し、その特異性が証明された。 以上、本研究により中国で発見された完全甘ガキ'羅田甜柿'の甘渋性決定機構の特異性が明確となり、タンニン蓄積に関わる遺伝子群の発現様式の差異が関係している可能性が示された。
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