研究課題/領域番号 |
13460023
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物保護
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
藤條 純夫 佐賀大学, 農学部, 教授 (50011911)
|
研究分担者 |
吉賀 豊司 佐賀大学, 農学部, 助手 (00312231)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2001年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
|
キーワード | ハスモンヨトウ / トビイロウンカ / 移動 / 遺伝的変異 / 気象 / 飛翔エネルギー源 / 飛来源 / 翅型発現 / 下層ジェット気流 / トリアシルグリセロール / 地理的変異 / 長距離移動 / 梅雨前線 / 秋雨前線 / 台風 / 飛翔能力 / 生活史特性 / 相変異 / 遺伝的多型 / 飛翔エネルギー |
研究概要 |
ハスモンヨトウでは、国内外に設置したフェロモントラップへの雄成虫の捕獲様相の比較、気象条件の解析に基づき、この虫の初夏の発生は、梅雨期前後に南西、あるいは西から吹き込む下層ジェット気流によって、中国中南部から運ばれてくる可能性が極めて高いこと、また、秋の発生も、秋雨前線が日本に接近・停滞する時期に、中国北部、朝鮮半島から吹き込む下層ジェット気流によって運ばれてきたものによっていることを強く支持する結果を得た。吊り下げ飛翔実験により、この昆虫は24時間に及ぶ自力飛翔が可能であり、そのための飛翔エネルギー源が中性脂質であること、さらに、この昆虫には飛翔能力、産卵前期間などでも遺伝的変異が存在することを明らかにし、それらの形質を比較することによって飛来源の推定を試みた。この虫の発生が、沖縄や台湾では春に比べて秋にむしろ低下することを発見し、それは日本では未記録のコマユバチ科の寄生蜂、Microplitis manilaeによる寄生に由来することを支持する結果を得た。さらに、本種の生活史特性を調査することにより、この寄生蜂を九州の施設ハウスに導入し、ハスモンヨトウの生物的防除資材としての活用が可能であることを示した。 トビイロウンカでは、選抜により作出した系統を用いて、この虫の幼若ホルモンの同定を行うとともに、翅型発現が特定時期の幼若ホルモンによって制御されていることを明らかにした。さらに、4つの系統からmRNAを抽出し、蛍光ディファレンシャルディスプレイ法を用いて4齢に発現する遺伝子の探索を行った結果、数個の翅型制御に関連していると思われる未知の遺伝子がクローニングされ、翅型発現の仕組み解明のための大きな一歩を踏み出すことが可能になった。
|