研究課題/領域番号 |
13460035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 (2002) 東京大学 (2001) |
研究代表者 |
吉田 稔 理化学研究所, 化学遺伝学研究室, 主任研究員 (80191617)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2001年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | 核外移行シグナル / CRM1 / 酸化ストレス / p53 / Pap1 / レプトマイシン / 温度感受性変異 / 転写制御 / 分裂酵母 |
研究概要 |
われわれのグループは放線菌が生産する抗腫瘍抗生物質レプトマイシン(LMB)が核外移行受容体CRMに直接結合し、核外移行シグナル(NES)を介した核外移行を特異的に阻害することを明らかにしてきた。従ってLMBを用いることによって特定の蛋白質について簡便に核外輸送されるかどうかの判定が可能となった。そのため近年、LMBを用いて多くの制御蛋白質が核-細胞質間をシャトルしていることが明らかになりつつある。そこで酸化ストレス、熱ストレスなどによって特異的に核移行する蛋白質に焦点を当て、その特異的な核内輸送調節機構を明らかすることを目的として研究を行なった。まず、p53温度感受性変異体(tsp53)が許容温度(32℃)では核に局在して機能するのに対し、制限温度(37℃)では細胞質に局在し、転写活性化能を示さないメカニズムについて解析を行い、細胞質において変異型p53は、Hsc70と結合し、逆に核移行輸送蛋白質importinとは結合していないが、32℃ではHsc70と解離し、importinとの結合が回復することを見いだした。以上の結果から、37℃では、Hsc70複合体がNLSをマスクすることによって核移行を阻害するが、32℃では解離するため速やかな核移行を許すと考えられる。一方、酸化ストレスに応答して核移行する分裂酵母の転写因子Pap1について詳細な解析を行い、LMBが共有結合するCrm1のCys-529がSerまたはAlaに置換したものがPap1のNESの核外輸送能が大きく低下し、Pap1が核移行して酸化ストレス応答性遺伝子の活性化を引き起こすことを示した。以上の結果から、このシステイン残基周辺がCrm1の基質認識部位であり、酸化ストレス感受性の核外輸送にはNESとCrm1の両者に存在するシステイン残基が重要であることが明らかになった。
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