研究課題/領域番号 |
13460121
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
秋葉 征夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30005631)
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研究分担者 |
佐藤 幹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (20250730)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2001年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | 骨格筋 / インスリン / 鶏 / 初期成長 / GLUT / グルコース取りこみ / 筋細胞 / 分化 / MyoD / GULT |
研究概要 |
筋細胞の基質取り込み機能を制御する特異的蛋白質の関与を分子細胞生物学的に解明し、食肉生産の向上のための技術基盤に応用することを目的とした。本年度は、鶏骨格筋の組織培養における基質取りこみ機能の特徴を明示しするとともに、鶏のインスリン応答性エネルギー基質取りこみをin vivoで明らかにして、鶏骨格筋におけるグルコースの取りこみの特異性とその制御法を考察することを試みた。 (1)鶏骨格筋組織培養系を用いた基質取りこみ機構特異性の実証 7日齢ヒナの長趾伸筋(EDL)を供試し、非代謝性グルコースである2-deoxy-D-[1-3H] glucose(2-DG)の細胞内取り込みを観察した。まず、インスリンを0-0.1μg/mlの濃度で培養系に添加したところ、ラットではインスリン応答性のglucose取り込みが認められたものの、鶏ではいずれの濃度でもインスリン応答性のglucose取り込みは確認されなかった。すなわち、鶏骨格筋はラットに比べインスリン応答性の基質取り込み能が非常に低いことが明らかとなった。次に、GLUTと特異的に結合するCytochakasin Bを培地に添加すると、ラットでは骨格筋におけるGlucose取り込みが完全に阻害されたのに対し、鶏骨格筋ではglucose取り込みが減少したものの、完全には阻害されなかった。すなわち、鶏骨格筋にはCytochalasin Bに結合しないGlucose取り込み経路が存在する可能性が示唆された。さらに、骨格筋の発達にともなうGlucose取り込み能の変動を観察したところ、骨格筋の発達に伴い、その取りこみ量は減少した。 (2)in vivoにおけるインスリン感受性Glucose取り込みの特異性 前試験で鶏骨格筋のGlucose取り込みには特異性が存在することが明らかとなったため、in vivoにおけるインスリン応答性Glucose取り込みを観察した。インスリンと[3H]2DGを8日齢ヒナに投与し、10分後に採血後、臓器を摘出し、組織に取り込まれた2-DG量をインスリン無投与のヒナと比較検討した。骨格筋では、インスリン投与によりGlucose取り込みが約2倍に増加した。すなわち、鶏にも低いながらインスリン応答性Glucose取り込みが認められることが明らかとなった。一方肝臓では、インスリン投与によりGlucose取り込みが約6.5倍に増加した。よって、鶏におけるエネルギー基質、特にGlucoseの役割は哺乳動物とは異なる可能性が推察され、食肉生産を考えた場合、骨格筋におけるエネルギー基質取り込みの活性化などの、哺乳動物とは異なる方策を立案する必要があると考えられた。
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