研究課題/領域番号 |
13460143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋床 泰之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40281795)
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研究分担者 |
田原 哲士 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50001475)
長谷川 利拡 独立行政法人農業環境技術研究所, 地球環境部, グループリーダー (10228455)
信濃 卓郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (20235542)
福士 幸治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (60218906)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 硫酸酸性耐性植物 / 根面着生細菌 / 窒素固定菌 / 根圏窒素動態 / Sphingomonas sp. / 根圏生物複合系 / 根面での機能性 / nif遺伝子 / 強酸性耐性 / 根面微生物 / 微生物フローラの多様性 / 単生窒素固定細菌 / 根面pHの上昇 / Sphingomonas / 根面バイオフィルム / 硫酸根の還元 / 微生物のフローラの多様性 / 耐酸性の獲得 |
研究概要 |
本研究では、根面微生物フロラを無窒素半流動ゲル培地という非常に厳しい栄養条件で根面の微生物群集を一次スクリーニングにかけ、結果として、γ-プロテオバクテリアを中心とした腐生性の強い細菌類を二次スクリーニングに行くまでに排除することができ、無窒素培地での一次スクリーニングで選抜した窒素固定細菌群とそれに付随する微生物複合系が根面で果たす機能と挙動を半流動ゲルでの混合培養というかたちで可視化することができた。根圏や根面を反映した貧栄養培地で出現する微生物フロラは、貧栄養培地での生存期間が一様に長く、バイオフィルム様の形態をとることが分かった。根面微生物群集の根面での挙動を根圏生物複合系の役割解明に連動させた新しい研究展開の可能性を示すことができた。代表的な硫酸酸性耐性植物であるM.malabathricumの根から得た根面洗浄液を無窒素半流動ゲル培地で継代し、多重層として表現されるミクロフロラから無窒素培地で培養可能な細菌2株を分離し、16S rRNA遺伝子の塩基配列からそれぞれSphingomonas rosaとBurkholderia cepaciaと同定した。このうちのS.rosaが、根面環境を整え、また根圏生物複合系の窒素供給能を高める効果があることが示唆された。S.rosaのように強酸性土壌耐性植物根面から頻繁に分離されるSphingomonas属細菌の多くが、1)根面微環境の緩和に寄与していること、2)根面で直接に窒素固定を行っているか、あるいは、少なくとも根圏複合系の窒素固定環境を整えていること、3)植物の根による根圏Mg^<2+>濃度の制御を介して菌体密度が制御されうること、の特徴を有していた。また、多くの植物根面や茎内で、Sphingomonas属細菌を含めた2者あるいは3者同盟のような共同作業が認められた。従ってSphingomonas属細菌は、根圏微生物群集の遺伝的多様性を支え、生物的室素循環の駆動力になるのではないかと考えられた。
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