研究課題/領域番号 |
13460151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
蔡 晃植 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00263442)
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研究分担者 |
岩野 恵 奈良先端科学技術大学, バイオサイエンス研究科, 教務職員 (50160130)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2002年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2001年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | 過敏感細胞死 / 活性酸素 / イネ / プログラム細胞死 / フラジェリン / 電子顕微鏡 / アポトーシス / NADPH oxidase / 形質転換体 / 抵抗性反応 / 誘導型発現ベクター |
研究概要 |
植物の抵抗性反応の一つと考えられている過敏感細胞死の誘導機構を理解するために、二つの方向からの研究を行った。 1.イネOsAMPK-γの過敏感細胞死への関与 過敏感細胞死を誘導した細胞としていない細胞間で異なる発現パターンを示す遺伝子としてイネOsAMPK-γ遺伝子(AMP-activated protein kinase γサブユニット)を同定した。OsAMPK-γ mRNAは、過敏感細胞死を誘導したイネ培養細胞で、発現量が減少することが明らかになったので、本遺伝子と過敏感細胞死誘導との関係を明らかにするため、グルココルチコイド誘導型ブロモーターの下流にセンス、アンチセンスでOsAMPK-γの遺伝子を結合したベクターを用い、それぞれ形質転換体を作製した。得られた形質転換培養細胞で導入遺伝子を発現させたところ、アンチセンス形質転換体で導入遺伝子発現後24時間から細胞死が誘導された。これらの結果は、OsAMPK-γの発現抑制が過敏感細胞死誘導に関与することを示している。 2.過敏感細胞死誘導への活性酸素の関与とその発生機構 イネ培養細胞の過敏感細胞死誘導への活性酸素の関与を明らかにするため、イネ培養細胞にAcidovorax avenaeの非親和性菌と親和性菌をそれぞれ接種し、発生するH_2O_2を経時的に検出した。その結果、非親和性菌を接種した細胞で過敏感細胞死より先にH_2O_2の発生が観察された。次に、発生するH_2O_2の細胞内発生部位を明らかにするため、発生するH_2O_2をCeCl_3と反応させ、その細胞を透過型電子顕微鏡で観察したところ、細胞壁及び細胞膜付近でH_2O_2が発生していることが明らかになった。また、細胞膜付近でのH_2O_2の発生はNADPH依存的でありNADPH oxidaseの阻害剤であるDPIによって阻害された。そこで、イネのNADPH oxidaseであると考えられているOsrboh A遺伝子のアンチセンス形質転換体を作製した。その結果、アンチセンス形質転換体は非親和性菌を接種してもH_2O_2が発生せず、過敏感細胞死も誘導しないことが示され、Osrboh Aによって発生するH_2O_2が細胞死を誘導することが証明された。
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