研究課題/領域番号 |
13470013
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
武田 英二 徳島大学, 医学部, 教授 (00144973)
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研究分担者 |
森田 恭子 徳島大学, 医学部, 助手 (40244777)
山本 浩範 徳島大学, 医学部, 助手 (60314861)
竹谷 豊 徳島大学, 医学部, 助教授 (30263825)
奥村 仙示 徳島大学, 医学部, 教務員 (30322259)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | リン輸送担体 / カベオラ / トランスロケーション / 副甲状腺ホルモン / リン酸 / 線維芽細胞成長因子23 / PKA / PKC / スタニオカルシン2 / ビタミンD / リントランスポーター / エンドサイトーシス / プロモーター / カルシトニン / Rab5 / クロライドチャネル |
研究概要 |
無機リン酸は細胞機能や骨格の石灰化に重要である。血中リン濃度はリンの腸管での吸収、細胞内や骨プール間の交換、腎尿細管での再吸収などによって一定のレベルに保たれている。リンは食事中には豊富に含まれ、腸管からは80%以上が吸収される。米国や日本では、食事からのリン摂取量が増加しており、リン摂取を長期間過剰に摂取すると骨障害や加齢を促進することが危惧される。したがって、リン摂取量を制限することはQOLを高く保つために重要と思われる。 生体リンの恒常性を保つためには腎尿細管のリン再吸収能が重要で、リン必要量に応じて再吸収能は著明に増加あるいは減少する。腎尿細管のリン再吸収能を調節する分子として刷子縁膜に発現している2型ナトリウム依存性リン輸送担体(NPT2)が重要で、ホルモンや栄養素で調節を受ける。近年、遺伝性および続発性低リン血症の病態解析から、生体のリン代謝を調節する分子としてPHEXやFGF23が明らかになった。PHEX遺伝子はエンドペプチダーゼをコードしており骨や歯に発現しているが腎臓には見られない。FGF23はエンドペプチダーゼの基質と考えられ腎尿細管でのリン再吸収を阻害する。 細胞膜上に見られるカベオラは構造を示すミクロドメイン(CM)であり、CMに存在するNPT2に副甲状腺ホルモン(PTH)が作用し、NPT2が細胞内へトランスロケーション(エンドサイトーシス)する。CMを阻害するmethyl-3-cyclodextrinやアクチンを脱重合するcytochalasin Dは、PTHによるNPT2のエンドサイトーシスを阻害した。PTHはCMでのPKAやPKCを阻害し、80kDaと250kDaのタンパク質をリン酸化した。我々は80kDaのタンパク質がezrinであることを同定した。以上より、CM上にNPT2は発現し、PTHやアクチンを介したNPT2発現調節にCMが深く関わっていることが明らかになった。本研究を通して、CMは生体内リン代謝を調節するリン濃度感受性システムを構成しているミクロドメインであることが解明された。
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