研究課題/領域番号 |
13470021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古川 鋼一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80211530)
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研究分担者 |
古川 圭子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50260732)
浦野 健 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70293701)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2001年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 糖転移酵素 / ガングリオシド / ターゲッティング / ニューロン / 神経変性 / 小脳 / プルキンエ細胞 / 後根神経節 / ノックアウト / サブトラクション / 脊髄 / プロキンエ細胞 |
研究概要 |
本研究では、シアル酸を含む酸性スフィンゴ糖脂質であるガングリオシド糖鎖が、主に神経系組織において果たしている役割と、その分子メカニズムに関して、その合成酵素(糖転移酵素)遺伝子のノックアウトマウスを用いて解析した。対象としたノックアウトマウスは、複合型ガングリオシドを欠損するGM2/GD2合成酵素ノックアウト、b-系列ガングリオシドを欠損するGD3合成酵素ノックアウトマウス、上記2種類ノックアウトマウスを交配して得たダブルノックアウトマウス、そしてこれらの前駆体であるラクトシルセラミドの合成酵素であるβ4ガラクトース転移酵素6小脳などである。複合型ガングリオシド欠損マウスでは、加齢とともに末梢神経および脊髄の変性、破壊が認められ、また小脳においても著明な萎縮・変性が認められた。一方、b-シリーズガングリオシドを欠損するGD3合成酵素ノックアウトマウスでは、一見して明らかな異常は見られなかったが、行動異常解析でオスにおいてのみ明らかな高次機能の異常が認められた。また、これらのダブルノックアウトマウスにおいては、幼弱マウスでも明らかな神経変性が認められ、12週齢ころより顔面と頚部を中心に、難治性皮膚損傷が出現した。その発症メカニズムとして、末梢神経の変性に基づく痛覚の低下が原因となって、損傷部に対する頻回の掻爬行動がくり返されることがトリッガーとなっているものと思われた。これまで、DNAアレイやcDNAサブトラクション法により、糖鎖変異マウスにおいて発現レベルが大きく変動している遺伝子の同定を行ってきたが、まだ決定的に重要な遺伝子を同定するには至っていない。今後、特定部位からのRNA抽出法と、微量RNAを用いた発現レベルの比較検討により、変性と再生に関わる遺伝子を同定し、それらの分子機能を明らかにする予定である。
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