研究課題/領域番号 |
13470038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菊池 章 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10204827)
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研究分担者 |
岸田 昭世 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50274064)
小山 眞也 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (00186834)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
2002年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2001年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | エンドサイトーシス / 細胞接着 / 細胞運動 / POB1 / パキシリン / Epsin / インスリン / プロリンリッチ部位 / SH3領域 |
研究概要 |
これまでに私共はRalの下流分子であるRalBP1とPOB1、Eps15、Epsinが相互に結合し、さらにクラスリンやAP-2と結合することにより、受容体のエンドサイトーシスを制御していることを明らかにしてきた。本研究では、POB1とEpsinの機能解析を行った。 POB1のC末端側にはRalBP1結合部位と、SH3領域を持つ蛋白質との結合が考えられるプロリンリッチ部位が3個存在する。POB1の機能を明らかにするために、そのC末端側に結合する蛋白質をスクリーニングし、Arf-GAPであるPAG2(ASAP1)を単離した。POB1の3番目のプロリンリッチ部位とPAG2のSH3ドメインを含むC末端側が直接結合し、またPOB1のこの部位のProをAlaに置換した変異体(POB1PA)はPAG2と結合しなかった。PAG2のホモログであるPAG3はインテグリンの裏打ち蛋白質であるパキシリンと結合して、細胞運動を調節することが知られている。PAG2の過剰発現はパキシリンの接着斑への局在を阻害することにより、CHO細胞の運動を抑制した。POB1の過剰発現はCHO細胞の運動に影響しなかったが、PAG2による運動抑制を解除した。POB1PAはPAG2の細胞運動抑制作用を解除できなかったし、POB1はPAG2のN末端側による細胞運動抑制作用を解除できなかった。したがって、POB1はエンドサイトーシスを制御すると共に、PAG2と結合することにより細胞運動も制御する可能性が示唆された。 CHO細胞をインスリンで刺激すると、POB1の結合蛋白質であるEpsinがリン酸化された。また、ホルボールエステル処理とバナデート処理によってもEpsinがリン酸化された。インスリンによるリン酸化はワートマニンにより抑制できたが、ホルボールエステルとバナデートによるリン酸化は抑制できなかった。一方、ホルボールエステルによるリン酸化は、スタウロスポリンにより抑制できたが、インスリンによるリン酸化は抑制できなかった。したがって、Epsinは複数の経路によりリン酸化されることが明らかになった。現在Epsinのリン酸化の生理的意義を解析中である。
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