研究課題/領域番号 |
13470049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
小田 秀明 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40214142)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
2002年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2001年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | p53 / 脳腫瘍 / アポトーシス / ENU / 化学発癌 / 遺伝子欠損マウス |
研究概要 |
1)個体レベルの解析:ENU投与時期(脳の発生時期)と脳腫瘍の発生部位およびその組織像の関係をマウスの発生段階の全てにわたって検索した。すなわち、ENU投与時期をマウス妊娠早期および妊娠10日以降出生まで、さらに生後一週間から生後1ヶ月の各群に分け、ENU投与直後の脳内アポトーシスと6ヶ月観察した後の脳腫瘍の組織象、頻度、部位を全中枢神経系にわたり検索した。この結果、妊娠早期投与群では胎児死亡が高率であり、妊娠10日以降出生までの期間に投与した群では妊娠12日をピークに大脳glioblastomaの発生を認め、出生後投与群では生後5日をピークに7日目までに投与した群では小脳medulloblastomaが発生した。この発生部位と組織像の違いはp53依存性アポトーシスと発生段階での増殖能が腫瘍発生に重要な役割を果たしていることが個体レベルで明らかになった。 2)細胞レベルの解析:個体レベルの解析により発生した脳腫瘍の株化を試みた。この結果マウスではこれまで極めて希であった脳腫瘍細胞の株化に成功した。これらはglioblastoma,medulloblastoma,schwannomaであり、いすれもヒトの代表的な脳ないし末梢神経腫瘍であり細胞特性の解析、分化誘導、治療への応用などに応用範囲が広いと考えられる。 3)分子タンパクレベルの解析:腫瘍発生に重要な役割を果たしている遺伝子をENU投与直後のP53遺伝子型の違うマウス胎児の脳よりRNAを抽出し、脳腫瘍発生に関与する遺伝子をDifferentialDisplayにて単離を試みた。この結果、20種類の遺伝子を単離した。これらの中でSpo11がglioblastoma発生に関与している可能性が示唆された。
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