研究課題/領域番号 |
13470074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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研究分担者 |
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (40236914)
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60241171)
岡村 春樹 HYOGO COLLEGE OF MEDICINE, FACULTY OF MEDICINE, PROFESSOR(2001) (60111043)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2001年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | IL-18 / MyD88 / IgE / NKT細胞 / IL-4 / シグナル伝達 / IL-12 / IFN-γ / Myd88KOマウス |
研究概要 |
IL-18は、IFN-γ誘導因子として発見された。しかし、その様な機能を発揮するのはIL-12が共存した場合で、IL-12の非存在下ではTh2サイトカインの産生を誘導する。例えば、IL-2の存在下(IL-12は非共存)でT細胞をIL-18で刺激すると、Th2サイトカインの産生が誘導できる。また、IL-3の存在下で好塩基球/肥満細胞を刺激すると、Th2サイトカイン、ケモカイン、そして化学伝達物質の産生を誘導できる。これらの産生物は、これまでの研究から、いずれもがアレルギー性炎症を誘導しうることが明らかにされている。実際、今回の研究から、「IL-18の過剰産生は自然型アトピー性疾患を誘導する可能性」が示唆されてきた。 私達は平成13年度は、IL-18によるIgE非依存性のアトピー性皮膚炎(AD)の誘導機序を研究した。その結果、IL-18が皮膚局所で過剰集積する遺伝子改変マウス(caspase-1トランスジェニックマウス)が、アレルゲン感作がなくても、ADを発症することが明らかとなった。次に、このマウスからStat6を欠損させたところ、血中でIgEは全く検出できなくなったが、ADの発症程度は軽減しなかった。以上のことから、IL-18依存性、IgE非依存性にADが発症することが明らかとなった。 平成14年度は、IL-18によるIgE産生誘導機序を研究した。その結果、IL-18は、恒常的にIL-18Rを発現しているCD1d拘束性のNKT細胞を刺激して、IL-4の産生とCD40Lの発現を誘導すること、そしてこのIL-18で刺激されたNKT細胞が、通常のヘルパーT細胞と協調してB細胞を刺激し、IgE産生を誘導することが明らかとなった。 そして、最終年度の平成15年度は、IL-18による気管支喘息の誘導を証明した。私達は新しい実験的な喘息モデルを樹立できたと考えている。特に従来、抗原投与だけでは、DTHはおこるが、AHRはおこらないTh1を移入されたマウスであっても、IL-18/抗原チャレンジによって、AHRが誘導されることを示すことが出来た。特に、IL-18で刺激されたTh1細胞は、Th1サイトカインとともに、Th1サイトカインを産生することも明らかとなった。 従って、IL-18はアレルギー性疾患に対する効果的な薬剤を作製する上で、重要な薬理学的な標的分子になると考えられる。
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