研究課題/領域番号 |
13470080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 福井大学 (2004) 福井大学(医学部) (2001-2003) |
研究代表者 |
日下 幸則 福井大学, 医学部, 教授 (70135680)
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研究分担者 |
佐藤 一博 福井大学, 医学部, 助教授 (40262620)
菅沼 成文 福井大学, 医学部, 講師 (50313747)
森 富男 福井県衛生環境研究センター, 生活科学部, 主任研究員
村岡 道夫 福井県衛生環境研究センター, 生活科学部, 主任研究員
櫻澤 博文 福井大学, 医学部, 助手 (50345675)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 金属 / 超微細粒子 / ニッケル / コバルト / 白血球 / インターロイキン / 腫瘍壊死因子 / 単核球 / 超微細金属粒子 / ヒト白血球 / サイトカイン / 鉄 / 金属超微細粒子 / TIF-α / NF-κB / ELISA / in-vitro実験系 / 活性化 |
研究概要 |
二つの系において、超微細金属粉末粒子が白血球を活性化することを、実証した。一つは、ラット金属肺モデルの末梢血中の白血球、もう一つは、ヒトの末梢血中の白血球である。前者は、ラットに超微細金属粒子を気管内投与しておいて(in vivo)、その末梢血から取り出した白血球をさらに、超微細金属粒子と培養した系(ex vivo)である。後者は、健康な人間から末梢血中の白血球を取り出して、培養した系(in vitro)である。 前者の系では、ニッケルのみを用いた。0.1mgを投与したラットから、七日後に、白血球を取り出し、さらにそれをニッケルと培養したところ、無処置のラットに比べ、腫瘍壊死因子が高値に放出された。 このことは、金属肺モデルでは、末梢血中の白血球も活性化されていて、さらにニッケルに曝露されれば、一層高く、腫瘍壊死因子始め、炎症性サイトカインを放出しえることを示唆している。 後者の系では、白血球を単核球の画分と好中球の画分とに分けて、それぞれの画分からの放出を、同じ第八属に属する鉄、ニッケル、コバルト(いずれも超微細金属粉末)について測定した。単核球画分からは、ニッケルの場合が最も高く、炎症性サイトカイン(腫瘍壊死因子、インターロイキン8、6)が放出された。好中球画分からは、唯一の例外を除いて、サイトカインは放出されなかった。つまり、鉄のみによって、インターロイキン-1が放出された。 同じ族にあっても、ニッケルが最も強く、白血球の中の単核球画分を活性化することが示唆された。好中球に対しては、ニッケルの活性化作用は見られなかった。 以上のことから、超微細なニッケル金属粉末は、ラット肺に持続的な炎症を起こすことを通じて、末梢血中の白血球も活性化することが示唆された。ヒトの白血球、特に単核球は、同様にニッケルによっても活性化されることから、ナノ・テク粒子が何らかの経路で体内に進入すれば、起こりえると想像される。
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