研究課題/領域番号 |
13470109
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (30248562)
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研究分担者 |
岡田 洋右 産業医科大学, 医学部, 講師 (80333243)
齋藤 和義 産業医科大学, 医学部, 講師 (30279327)
塚田 順一 産業医科大学, 医学部, 助教授 (20227367)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2001年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / T細胞 / 血管内皮細胞 / インテグリン / 細胞表面抗原 / 帰巣分子 / 臓器特異的浸潤 / 共刺激分子 / 全身エリテマトーデス / リンパ球 / サイトカイン |
研究概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多臓器病変を特徴とする全身性自己免疫疾患(膠原病)である。しかし、SLEの治療は、ステロイド薬中心の副作用の多い非特異的免疫療法に終止し、病態解明と疾患特異的な新規治療開発は社会的にも急務である。SLEの病態形成に於いては、自己応答性T細胞により活性化されたB細胞から過剰に産生された自己抗体による免疫複合体形成を介して臓器障害が齎される。SLEでは、肺・腎・中枢神経などの特定臓器に病変を齎し、生命予後を脅かすが、何故斯様な臓器病変が齎されるかは不詳であった。 ナイーブT細胞は、所属リンパ節で各臓器由来の樹状細胞により初回抗原感作され、抗原情報とホーミング情報を刷り込まれたメモリーT細胞に分化する。斯様な基礎的概念に基き、本研究では、SLE患者末梢血リンパ球を皮膚病変の有無で解析し、皮膚病変を有するSLE患者でTh2及びTc2サブセットに於いて皮膚関連帰巣分子CLAの発現増強を認め、特定臓器病態の形成過程に関与する分子の存在を明らかにした。さらに、骨・骨髄、肺、脳、皮膚、肺、腎、関節滑膜、甲状腺などの多臓器の微小血管から血管内皮細胞を精製し、DNAチップ法により、例えば、滑膜由来内皮細胞では、CD40L、エンケファリン、テトラネクチン、CSF-1等が、他の臓器由来内皮細胞に比較し、高発現するとの結果を得た。一方、活動期SLEのT細胞では、β1インテグリンの発現増強を認めた。T細胞活性化にはTCR共刺激分子が関与するが、SLEのT細胞では、代表的共刺激分子であるCD28は減弱したが、β1-FAKを介するシグナルは、量的、質的に亢進し、CD40L等の他の共刺激分子等の発現誘導を介して、CD28非依存性にT細胞の活性化、ループス腎炎などの臓器病変の進展に寄与する事が示された。 本研究で解明された結果は、SLEの臓器選択性病態形成の機構の解明、これらの分子を標的とした疾患制御が臨床展開される可能性を示唆するものとして高く評価できる。
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