研究課題/領域番号 |
13470124
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 国立国際医療センター(研究所) |
研究代表者 |
土肥 多惠子 国立国際医療センター(研究所), 消化器疾患研究部, 部長 (60250221)
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研究分担者 |
切替 照雄 国立国際医療センター(研究所), 熱帯感染症研究部, 部長 (50192563)
松島 綱治 東京大学, 大学院・医学系研究科・分子予防医学, 教授 (50222427)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 樹状細胞 / バイエル板 / サイトカイン / ケモカイン / 常在細菌叢 / リポポリサッカライド / 炎症性腸疾患 / パイエル板 |
研究概要 |
本研究の目的は、マウス消化管における樹状細胞の機能を明らかにするとともに、ヒト消化管における常在細菌に対する免疫寛容についてその成り立ちを明らかにし、最終的には腸炎抑制性樹状細胞をex vivoで調整して生体に戻し粘膜免疫を修飾させるための基盤研究を行なうことである. 1.潰瘍性大腸炎モデルでは,樹状細胞遊走が重要であり、可溶性リンホトキシン受容体投与によって治療可能であった。 2.正常ヒト大腸単核細胞はLPSによる刺激に対するサイトカイン産生が非常に低かった.マクロファージ・樹状細胞画分ではLPSのシグナル伝達に必須であるMD-2分子の発現がみられず、このことがヒト大腸での免疫低応答の重要なメカニズムであると考えられた。潰瘍性大腸炎においては、MD2分子の発現やTNF-α応答の異常が見られた。 3.骨髄由来樹状細胞のin vivoでの動態を解析するため、GFP発現骨髄樹状細胞を、マウスに静注移植した結果、腸管膜リンパ節にGFP陽性細胞が検出され、ex vivoで作成した樹状細胞が腸管膜リンパ節で機能を発揮する可能性を示唆された. 4.骨髄由来樹状細胞への遺伝子導入に関して、レトロウイルスベクター使用を試みていたが、研究期間中に副作用の問題が明らかになったため、新たな樹状細胞機能修飾法として、コレラ毒素の適用を試みた。コレラ毒素は骨髄由来樹状細胞において、NF-κBの核移行と活性化を誘導した。 5.細胞内輸送系を利用したタンパク質導入法の開発を目的として、導入のツールとしてKDEL配列の変異型コレラ毒素を作製したところ、樹状細胞内でゴルジ体には取り込まれるが、ERへは逆輸送されないことが明らかとなった。変異型コレラ毒素を用いることで、樹状細胞にタンパク質を導入し、その機能を修飾できる可能性が示唆された。 以上の研究成果から正常及び疾患における消化管の樹状細胞の特徴とその機能修飾のための基礎的知見が得られた。
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