研究課題/領域番号 |
13470128
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永武 毅 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30164445)
|
研究分担者 |
渡辺 貴和雄 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (20220874)
渡辺 浩 長崎大学, 医学部付属病院, 講師 (90295080)
大石 和徳 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (80160414)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 呼吸器感染症 / 病原因子発症メカニズム / 感染予防戦略 / 呼吸器病原細菌 / レセプター / 糖鎖 / 上皮細胞付着 |
研究概要 |
私共は呼吸器感染症の病原因子と発症メカニズムを明らかにし、これらの成果を感染予防戦略に生かすべく研究を続けてきた。これまでの研究の成果として、代表的呼吸器病原細菌のヒト咽頭上皮細胞への付着因子としてモラキセラ・カタラーリスの菌表面の線毛が、また上皮細胞側のレセプターとしてモラキセラ・カタラーリスではGM1、インフルエンザ菌(nontypable株)ではGD2が重要であることを明らかにした。さらに、これらの病原細菌と上皮細胞の付着の経過における荷電の役割についても世界で初めて明らかにした。これらの研究課程で、呼吸器における下気道感染症のファースト・ステップとして上気道上皮細胞への細菌付着があり、これらの付着率と下気道感染症発症が比例するものであることから上気道上皮細胞への細菌付着を口腔ケア、ガーグリング(うがい)などで防止することが下気道感染症を減少させることをすでに報告した。今回は付着メカニズムでこれまでに明らかとなった、細胞側のレセプターとして重要な糖鎖に影響して細菌の付着を防止することで予防を可能にする呼吸器疾患治療薬の存在を見出し、これらの精細なメカニズムの検討を行った。まず、去痰薬と位置づけられているS-Carboxymethylcysteine(S-CMC)にはモラキセラ・カタラーリスやインフルエンザ菌(nontypable株)の上皮細胞付着を抑制する作用があることをin vitroおよびin vivo実験で明らかにした。一方、ambroxolにはその作用は全く認められなかった。他の薬物での検討およびもう一つの代表的呼吸器病原細菌である肺炎球菌についても同様の検討を行い、菌株による差異はあるもののS-CMCに強力な付着抑制作用を見出した。これらの成績は感染予防戦略への薬物の応用を可能としたものであり、今後さらに、研究の発展が期待できるものである。
|