研究課題/領域番号 |
13470143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
藤原 久義 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80115930)
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研究分担者 |
小戝 健一郎 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90258418)
竹村 元三 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40283311)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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キーワード | 成人ラット心筋細胞アポトーシスモデル / Fas ligand / caspase3 / アポトーシス感受性 / clearnace rate / 超微形態 / Bc1-2遺伝子治療 / clearance rate / Bcl-2遺伝子治療 |
研究概要 |
1)in vivo成人ラット心筋細胞はFas ligand10倍濃度群でのみアポトーシスが生じ、アポトーシス心筋細胞は24時間後には心筋組織からclearanceされた。すなわち、in vivo心筋細胞のFas ligandに対するアポトーシス感受性は、肝細胞と比較し10倍低くかつ24時間以内に消失する。 2)10倍濃度群では心筋組織にcaspase3が活性化され、かつpancaspaseブロッカーBoc-Asp fmkにより、心筋細胞のアポトーシスはブロックされた。すなわちFas ligandで誘発されるアポトーシスのsignal transductionはcaspase3を介して生ずる。 3)in vivo成人心筋細胞アポトーシスの超微形態は、schrinkage, chromatin condensation,アポトーシス小体があるという点では他の細胞のアポトーシスと同様である。しかし、半月形または三ヶ月形のchromatin condensationがないことや、ミトコンドリアの変化の点で他の細胞のアポトーシスと著しく異なっている。 4)DNA repairまたは増殖のマーカーであるPCNA染色ではTUNEL陽性心筋細胞は全て陰性であった。すなわち心筋細胞アポトーシスのプロセスにおいてPCNAが陰性であった。 5)アデノウィルスベクターを用いてBcl-2遺伝子をラットの下腿筋肉に注射し、Bcl-2の発現をみた。1週間後のsacrifice時点でのBcl-2発現量はコントロールと比較し血中で30倍、心筋組織においてウェスターン法では20倍であった。そこで、遺伝子治療1週間後に心筋内にアポトーシスが生ずるFas-ligand5μg/mlを心筋内に直接筋注し、アポトーシス心筋細胞の発現がブロックされるかを検討した結果、心筋細胞アポトーシスの量すなわちTUNEL陽性心筋細胞の%は非遺伝子治療時の1/2に減少した。このことはBcl-2遺伝子治療が心筋細胞のアポトーシスの抑制に有効であることを示唆している。しかし、Bcl-2遺伝子治療のみではFas-ligandに誘導されるアポトーシスは完全にはブロックされず、Bcl-2を介さないpathwayもまた存在することを示している。 これらの成績は、今後の循環器アポトーシス研究にきわめて重要な所見を提供している。
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