研究課題/領域番号 |
13470161
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 山梨大学 (2003) 山梨医科大学 (2001-2002) |
研究代表者 |
中澤 眞平 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90090034)
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研究分担者 |
合井 久美子 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (70324192)
犬飼 岳史 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (30293450)
杉田 完爾 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (60138055)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 難治性小児白血病 / アポトーシス / 薬剤耐性 / 細胞周期 / サイトカイン / 細胞傷害因子 / 同種造血幹細胞移植 / GVL効果 / 白血病 / Philadelhia染色体陽性白血病 / 11q23転座型白血病 / T細胞型急性リンパ性白血病 / 造血因子 / STI571 / 耐性機序 / Philadelphia染色体陽性白血病 / HDAC inhibitor / 細胞周期停止 / 移植片対白血病(GVL)効果 / philadelphia染色体陽性白血病 / 11q23転座型急性リンパ性白血病 |
研究概要 |
近年アポトーシス機構の詳細が明らかになるとともに、アポトーシスの抑制が癌発生の重要な機序の1つであり、9;22転座型(Ph1)や11q23転座型などの難治性小児白血病では、その発症や薬剤耐性の機序の1つとしてアポトーシス耐性の関与が想定されている。そこで本研究では、これら難治性小児白血病での新たな治療法の糸口を見い出すために、アポトーシス耐性機序を解析した。 Ph1陽性白血病では、BCR-ABL融合蛋白の持続的なチロシン・キナーゼ活性によって、生存と増殖のシグナルが恒常的に活性化されている。BCR-ABLの特異的阻害剤として臨床応用されているSTI571は、BCR-ABL活性の抑制を介してこれらシグナルを不活性化し、細胞周期停止とアポトーシスをもたらす。我々は、各種サイトカインが、生存と増殖のシグナルを活性化することで、STI571の抗白血病効果を弱めることを見出した。この結果は、STI571耐性の機序としてin vivoでの内因性サイトカインの関与を示唆すると考えられ、MAPKやPI3Kの阻害剤がSTI571の抗白血病効果を増強する可能性を明らかにした。 さらにHDAC inhibitorであるTSAやJAK2チロシン・キナーゼの特異的阻害剤であるAG490が、Ph1陽性白血病や11q23転座型白血病の細胞増殖を強力に抑制することを明らかにした。また、Ph1陽性急性白血病が、細胞傷性Tリンパ球上に発現される細胞傷害因子の1つであるTRAILに対して高い感受性を示すことを見い出し、同種造血幹細胞移植におけるPh1陽性白血病に対するGVL効果にTRAILが介在する可能性を明らかにした。一方、11q23転座型急性リンパ性白血病細胞株はTRAILに対して高度の耐性を示し、TRAIL耐性が11q23転座型急性リンパ性白血病でGVL効果が弱いことの一因である可能性を示した。
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