研究課題/領域番号 |
13470174
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 (2003) 三重大学 (2002) 京都府立医科大学 (2001) |
研究代表者 |
山西 清文 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10182586)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
2003年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2002年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 魚鱗癬 / トランスグルタミナーゼ / セリンプロテアーゼ / プロテアーゼインヒビター / 疾患モデル / 角化症 / 角化細胞 / 角化 / タン白質架橋反応 / 遺伝性皮膚疾患 / cDNA / ゲノム機能解析 / SPINK5 |
研究概要 |
Netherton症候群は魚鱗癬、アトピー症状、陥入性裂毛を特徴とする疾患である。その原因遺伝子としてプロテアーゼインヒビターSPINK5が同定されているが、SPINK5の変異による魚鱗癬、アトピー症状の発症機構は不明である。本研究では魚鱗癬モデルを用いて皮膚におけるセリンプロテアーゼ系の役割を探索し、魚鱗癬の疾患病態解明することを目的として実験を行った。まず、129Sv/JマウスゲノムDNAライブラリーからマウスSPINK5遺伝子をクローニングしターゲティングベクターを作製後、ES細胞に導入した。G418選択により標的遺伝子組み換えを起こしたクローンを用いて、SPINK5のノックアウトマウスを作製した。しかしながら、SPINK5のノックアウトマウスは正常に発生し、Netherton症候群に相当する表現型の異常は見られなかった。一方、トランスグルタミナーゼ1ノックアウトマウスは皮膚のバリア障害により生後すぐに死亡するため魚鱗癬の症状は示さないが、このマウス皮膚をヌードマウスに移植することによって世界で初めて魚鱗癬皮膚を再現することに成功した。トランスグルタミナーゼ1ノックアウトマウス皮膚で発現する遺伝子をDNAマイクロアレイで解析したところ、セリンプロテアーゼ遺伝子の著しい発現増加が観察され、実際に蛍光抗体法により、この発現産物がヌードマウス上に再現した魚鱗癬皮膚で高発現していることが明らかとなった。従って、以上の研究結果から、このようなセリンプロテアーゼおよびそのインヒビターのバランスが皮膚の恒常性を維持しており、SPINK5の変異あるいはセリンプロテアーゼの過剰発現が魚鱗癬皮膚に代表される角化症の病態に深く関与することが示唆された。
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