研究課題/領域番号 |
13470195
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 山梨大学 (2003) 山梨医科大学 (2001-2002) |
研究代表者 |
神庭 重信 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (50195187)
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研究分担者 |
工藤 耕太郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (50345708)
竹内 潤一 山梨大学, 医学部, 助手 (20303422)
久保田 正春 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60234499)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | ストレス / 養育環境 / 海馬 / 神経新生 / 一酸化窒素 / セロトニン・トランスポーター / エストロジェン / プロラクチン放出ホルモン / 神経再生 / セロトニン / トランスポーター / インターロイキン / HSD / 学習 / 不安 / 母子分離ストレス / 扁桃体 / 遺伝子 / 神経伝達物質 |
研究概要 |
ストレス脆弱性は養育環境が脳の発達に長期的な弊害をもたらすことによって作られると考えられる。幼弱期ストレスが、発達後の不安の強さ、学習能力の低さと結びついていることは行動科学的に明らかにされているが、そのメカニズムは不明のままであった。そこで母子分離ストレス負荷ラットを用いて、ストレス脆弱性と関連する遺伝子、遺伝子転写調節因子、神経新生能力について検討することにした。 まず、ストレス関連遺伝子のターゲットを決めるために、以下の研究を行った。 1)人でストレス脆弱性と関連する要因に病前性格がある。病前性格の形成における遺伝と環境の関与を双生児法で検討した。性格に遺伝的要因が3〜40%関与することがわかった。環境要因は非共有環境が主であった。2)不安傾向と関連する遺伝子にセロトニン・トランスポーター遺伝子がある。この遺伝子の多型と生体脳のセロトニン・トランスポーターの量との関係を健常者を対象としてPETで測定したところ、in vitroの結果と異なり、両者には相関が認められなかった。3)抗ストレス効果を有する薬物に脳内nitric oxide合成酵素の誘導作用が認められた。脳内エストロジェン、プロラクチン放出ホルモン、オレキシン、amyloid p成分に関する基礎的な作用を明らかにした。 具体的なターゲットを、海馬神経細胞に置き、1)養育環境が作り出すストレス反応性の分子神経科学的解明とその修復過程を促す薬物、2)うつ病を起こすことが知られているインターフェロンの傷害機序とその修復、3)放射線照射による傷害とその修復過程を促す薬物の開発を目指した。心因性精神障害の神経科学的機序として注目されている、海馬歯状回の神経新生の調節の一端を明らかにした。また、神経新生障害を予防するあるいは修復する介入や新薬のシードを見いだした。これらの結果を基に、これまでにない作用機序をもつ自殺予防薬の開発の可能性が開けた。
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