研究課題/領域番号 |
13470226
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡 芳知 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70175256)
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研究分担者 |
檜尾 好徳 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10282071)
平井 完史 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80312578)
片桐 秀樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00344664)
湯尻 俊昭 山口大学, 医学部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
2002年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2001年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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キーワード | インスリン / 糖輸送 / 糖尿病 / GLUT4 / acyl-coenzyme A dehydrogenase / PKC / PDK1 / シグナル伝達 / GFP / acy1-CoA dehdrogenase / インスリン反応性アミノペプチダーゼ |
研究概要 |
インスリンによる糖輸送促進は細胞内の糖輸送担体GLUT4を細胞膜で働くように呼び出すトランスロケーション機構によるが、糖尿病患者ではインスリンからGLUT4へのシグナル伝達が障害され、細胞膜にGLUT4が十分動員されない。本研究ではこの分子機構を明らかにすることを目的としている。研究のひとつは、インスリン受容体から下流へのアプローチである。PI3kinaseの活性化が重要なことにはコンセンサスが得られているが、その下流については意見が分かれている。PKCの中から、PKCα(conventional PKC)、PKCδ(novel PKC)、PKCλとζ(atypical PKC)を取り上げ、その常時活性型、あるいはdominant negative型を作製し、3T3-L1脂肪細胞に導入発現させ、インスリンによる糖輸送促進効果を検討した。その結果、いずれのPKCアイソフォームでも、インスリンによる糖輸送促進効果には明確な影響はなく、少なくとも3T3-L1脂肪細胞におけるインスリンによる糖輸送促進機構では、いずれのPKC isoformも重要な役割を果たしてはいないと結論した。また、PI3kinaseの下流の分子として注目されているPDK1についても、そのdominant negative型の発現ではインスリンによる糖輸送促進効果を抑制できなかった。研究のもうひとつの成果は、GLUT4を含む細胞内小胞の細胞膜への移動・融合というトランスロケーション・ステップに焦点を当て、GLUT4小胞蛋白IRAP(insulin responsive aminopeptidase,別名gp165)のdi-leucineモチーフを含むN端部分と結合する蛋白として、acyl-coenzyme A dehydrogenaseを同定したことである。これが、"GLUT4 retension protein"であるかの解析をさらに進めた。また、GLUT4C端に蛍光シグナル(eGFP)を付与した分子を3T3-L1細胞内に発現させ、リアルタイムで追跡した。その結果、GLUT4の細胞内プールである核周囲部位から細胞膜まで直線的に同じ速度で動くのではなく、途中で一時的に静止して方向を変えることが観察された。これは、GLUT4がインスリンによる細胞膜への移動において、細胞骨格を「乗り換える」ことを示唆している。
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