研究課題/領域番号 |
13470246
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | (財)田附興風会 |
研究代表者 |
高林 有道 財団法人田附興風会, 医学研究所, 副所長 (00226911)
|
研究分担者 |
中村 肇 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (70303914)
笹田 哲朗 財団法人田附興風会, 医学研究所・第2研究部, 研究員 (70293967)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
|
キーワード | 外科的侵襲 / ミトコンドリア膜電位 / 末梢血リンパ球 / NK細胞 / チオレドキシン / 化学療法 / 薬剤耐性 / Surgical Stress / CD4^+CD25^+T cell / 腫瘍増殖 / 消化器癌 |
研究概要 |
(1)ミトコンドリアの膜電位低下は細胞のアポトーシスの早期現象として理解されている。手術侵襲は最も代表的な外科的ストレスであるが、我々は消化器癌の術後に末梢血リンパ球、特にNK細胞のミトコンドリア膜電位が低下することを明らかにした。また肝切除術後には末梢血のリンパ球数が減少することが報告されている。われわれは肝切除後に末梢血リンパ球が膜電位の低下に引き続き、アポトーシスに陥っていることを見いだした。なおこの膜電位低下は手術侵襲の大きさと相関、また血清中ノルアドレナリン濃度と逆相関していた。以上より外科的侵襲は交感神経系を介して、生体の免疫系、特にNK細胞の機能を低下させると考えられた。またリンパ球のミトコンドリア膜電位測定により手術侵襲の程度を評価することが可能と思われた。 (2)代表的は局所炎症反応産物である一酸化窒素(NO)の免疫担当細胞への影響を検討したところ、NO供与体は濃度依存性に末梢血リンパ球特にNK細胞のミトコンドリア膜電位低下を惹起、またこの膜電位低下は酸化還元(レドックス)環境の制御因子の一つであるビタミンEアナログにて抑制されることを明らかにした。 (3)チオレドキシンは生体に対する酸化ストレスを消去し、生体内の酸化還レドックス環境を調節する、抗酸化・レドックス制御因子である。消化器癌手術後に測定した血清チオレドキシンのレベルは末梢血リンパ球のミトコンドリア膜電位の低下と逆相関しており、チオレドキシンは外科的侵襲の一つのセンサーとなりうると理解された。 (4)癌化学療法は生体及び癌細胞のとって大きなストレスであるが、大腸癌細胞において、代表的抗癌剤5-FUに対する薬剤耐性を獲得する際には、転写因子E2F-1の活性上昇とE2F-1の活性制御因子であるrelinoblastoma gene product (pRb)のリン酸化が亢進していることを明らかにした。
|