配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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研究概要 |
スキルス胃癌患者の摘出胃より,原発巣由来の胃癌細胞株(OCUM-2M;以下2M)を樹立した.2Mを胃壁に移植する方法により,高率に播種性腹膜転移を形成する細胞株(OCUM-2MD3;以下D3)を樹立した.腹膜中皮細胞に対する接着性は,抗CD44H抗体により抑制された.つぎに癌細胞と,腹膜間質成分との接着性を検討した.その結果,LamininやFibronectin, Collagenなどの間質成分への接着性は,D3の方が2Mに比べ有意に亢進していた.D3細胞は,α2β1,α3β1-integrinをより強く発現していた.さらにD3細胞の接着性は抗α2β1,抗α3β1-integrin抗体の添加で抑制された.以上,腹膜への接着には,癌細胞に発現する接着分子CD44Hやα2β1,α3β1-integrinが関与していることが判明した.次に,抗CD44抗体や,β1-integrinの阻害剤である接着ペプチドRGDおよびYIGSRによる腹膜転移抑制効果を検討した.腹膜播種性転移マウスに,抗CD44抗体やRGDまたはYIGSRを投与することにより,D3の腹膜基底膜成分への接着・浸潤性は有意に抑制された.以上,接着ペプチドにより,腹膜播種性転を抑制しえる可能性が示唆された. 胃癌細胞株OCUM-2Mを用い、より高率にリンパ節転移を形成する細胞株を樹立し、親株と比較したところ,リンパ節転移株においてICAM-1の発現が低下していた.さらに,抗ICAM-1抗体を用いた胃癌標本の免疫組織染色学的検討にて,ICAM-1陰性症例は、リンバ節転移率や腹膜転移率が高いことを明らかにした.以上,転移機序の一つとして,癌細胞のICAM4の発現低下による免疫監視機構からの逸脱が関与していることが示唆された.さらに,ICAM-1遺伝子導入は胃癌リンパ節転移や腹膜転移治療に有用であることを明らかにした.
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