研究概要 |
酸化ストレス刺激によるIL-8産生及びIL-8mRNA発現に対する緑茶ポリフェノールの抑制効果:A549細胞を緑茶ポリフェノール添加(0-0.2mg/ml)培地で2時間前処置したのちH_2O_2(400μM)刺激を加え、1,3,6時間後の培地中IL-8濃度及びIL-8mRNA発現を検討した。培地中IL-8濃度は緑茶ポリフェノールによって用量依存的に低下し、最大76.1%の抑制を受けた。細胞内IL-8mRNA発現も緑茶ポリフェノールにより抑制された。また、緑茶ポリフェノールとH_2O_2を同時に投与した場合には最大43%の抑制にとどまり、緑茶ポリフェノールで前処置した場合のほうがIL-8産生抑制が著明に認められた。また、本実験で使用した濃度の緑茶ポリフェノール及びH_2O_2はA549細胞の生存率に影響を与えなかった。 緑茶ポリフェノールによるH_2O_2スキャベンジ作用:緑茶ポリフェノール含有培地(0-0.2mg/ml)にH_2O_2 (400μM)を添加し、30分後の培地中H_2O_2濃度を測定した。緑茶ポリフェノールの濃度依存的に培地中H_2O_2濃度の減少が認められた。 酸化ストレス刺激によるmitogen activated protein kinase (MAPK)活性化に対する緑茶ポリフェノールの抑制効果:A549細胞を緑茶ポリフェノール添加(0.2mg/ml)培地で2時間前処置したのちH_2O_2 (400μM)刺激を加え、15,30,60,120分後のMAPKリン酸化をWestern blot法を用いて測定した。IL-8産生に関与する3種類のMAPKであるJun N-terminal kinase (JNK),p38,p44/42ともH_2O_2刺激によってリン酸化が認められた。JNKとp38は緑茶ポリフェノールによって有意なリン酸化の抑制が認められたが、p44/42リン酸化は緑茶ポリフェノールによって影響を受けなかった。
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