研究課題/領域番号 |
13470286
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大野 喜久郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014238)
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研究分担者 |
佐藤 勝重 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80291342)
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00228090)
太田 禎久 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (70311652)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2001年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | 内因性光学計測 / 脳機能局在 / 一次知覚野 / 脳機能マッピング / 術中モニターリング / 体性機能局在 / MEG / PET / 聴覚野 |
研究概要 |
既存の光学計測装置を手術顕微鏡の光源に組み合わせたシステムを用い術中脳表における体性知覚刺激による光学的神経活動記録を行った。新たに光源と解析コンピューターシステムを購入し高い効率で記録と同時解析が行えるような設備の設定を行った。これにより、ほぼ手術中にリアルタイムで計測結果を画像化できるようになった。これによって実用的な手術中モニターリング法として感覚運動野のグリオーマ切除時の切除範囲の決定のためのガイドとして用いることができるようになった。 神経科学的見知からは、詳細な体性知覚分布を検討するために各手指毎の体性知覚刺激に対する反応を計測した。その結果全く反応行きに重複がない形で皮質反応域が分布することが判明した。このような詳細な体性知覚分布に関する反応はヒト脳の電気生理学的計測では見い出すことのできなかった始めての知見である。体性感覚刺激による光学計測と対比すべくポジトロンコンピューター断層撮影(PET)、機能的MRI、多チャンネル脳磁図(MEG)の計測データーと対比しいずれも三次元の脳表画像上で反応部位を表示できるシステムをワークステーションを整備することで完成できた。これにより性質の異なった計測法が脳回単位で見れば良く一致した反応分布を示していることが明らかになった。 さらに、高次脳機能局在の領域に研究を進めるべく音刺激による言語野近傍の光反応を計測し頭蓋内電極を用いた言語機能局在部位と対比した。この結果、音刺激による光学反応が見られる部位は縁上回にあたり言語入力の抑制が見られる場所の前方であることが判明し言語とその他の音の入力に関与する回路が異なることが判明した。本研究の最終目標として、覚醒手術下での高次機能モニターとしての光学計測法の利用を目指したが、そこには到達しなかった。理由としては、計測時の散乱光を減らし、計測を開始するまでの時間がまだ充分に短縮でき無かったことが主因である。今後もさらに計測時に脳表を安全にsealできる素材の開発と実用化が必用である。 脳表における光学計測を詳細な神経回路情報と結びつけるべくてんかんの外科治療時の切除部をスライス標本として生かしその部分電気刺激による神経活動の電波を光学計測法で記録するためのプロジェクトも行った。光学計測法を使用することでスライス標本内での刺激伝播が画像化できることをしめした。同一標本の代謝計測による解析を組み合わせ、神経紳胞の反応とグリア細胞の反応とが分離して示されることを確認し論文発表準備中である。
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