配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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研究概要 |
(1)マウス肉腫細胞の遺伝子解析と分化誘導療法について C3Hマウス高・低肺転移能RCT肉腫から腫瘍細胞のmRNAを抽出し、cDNAマイクロアレイ法を用いた解析を行った。その結果、高肺転移株ではPOU domain (class 2,associating factor 1), adenylate cyclase 7, procollagen type III (a), A kinase anchor protein 4 and Ehm (expressed on high-metastatic cells)と11個のexpressed sequence tags (ESTs)がoriglnal cloneと比較して高値を示した。しかしながら18個のspecific genesと14個のESTsは低値を示していることが解った。血管新生遺伝子であるDel-1はVEGFよる腫瘍関連血管内皮に発現誘導される遺伝子として解明された。またTNP-470、ジブチリルサイクリックAMP、加温による分化誘導効果も確認された。 (2)ヒト肉腫細胞の遺伝子解析について 液体窒素により新鮮凍結を行い、系統的な保存システムを確立した。細胞DNAをphenol法にて抽出し、CGHマイクロアレイ法により全染色体上のDNAの増幅と欠失についての解析した。骨肉腫において共通してDNAコピー数の増加が見られた領域は1Qtel10(1q), WHSC1(4p), CCCND3(6p), MTAP(9p), INSR(19q), CCNE1(19q), PCNT2(KEN)(21q)であり、DNAコピー数の減少が共通して見られた領域はNRAs(1p), RAF1(3q)の領域であった。また肉腫の発生に関わる可能性が高いとされるP53遺伝子やc-myc遺伝子のコピー数にはばらつきがあり、一定の傾向は見られなかった。転移を生じた骨肉腫では染色体全体の遺伝子不安定性が高く、特に1Qtel10, cCCND3, MTAP遺伝子などの増幅が確認された。骨巨細胞腫、脱分化型軟骨肉腫、アダマンチノーマなどの骨腫瘍の解析や横紋筋肉腫などの軟部腫瘍の解析も行った。本研究によりマウス、ヒト肉腫における腫瘍発生遺伝子と転移に関わる遺伝子の基礎的解明ができた。
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