研究課題/領域番号 |
13470324
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
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研究分担者 |
山口 宗一 鹿児島大学, 医学部, 助手 (20325814)
橋口 照人 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70250917)
上村 裕一 (上村 祐一) 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30211189)
中島 利博 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助教授 (90260752)
今泉 均 札幌医科大学, 集中治療部, 助教授 (70203304)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | HMG-1 / 感染症性ショック / 内因性カンナビノイド / ショックのメディエーター / 敗血症 / 妊娠中毒症 / アナンダマイド / エンドトキシンショック / ポリミキシンB / アポトーシス |
研究概要 |
内因性カンナビノイドであるアナンダマイドと2-アラキドニールグリセロール(2-AG)、核内DNA結合蛋白HMG-(High Mobility Group-1)と感染症性ショックの病態を研究して以下の結果を得た。 1)我々が発見した内因性カンナビノイドのポリミキシンB吸着の原理を用いて、簡便なアナンダマイド、2-AG測定法を開発したが、本方法で全国から送られてきた1000検体の感染症性ショックの患者血液中のアナンダマイド、2-AGを測定し、以下のような結果を得た(in vivo, in vitro研究)。 2)内因性カンナビノイドは、血管系(内皮細胞、血管平滑筋細胞)の場合には主としてVR1を介して、(1)NO産生、CGRP産生、PGI2産生を介して低血圧を誘導することが判明した。 3)動物実験(ブタ、ウマ、ラットなど)の場合にはエンドトキシン(LPS)静注開始、4時間目ごろより、アナンダマイド、2-AGが上昇し始め、これと鏡面像を画く形で低血圧が誘導された。その他のマーカーは血圧と変動しなかった。以上より、これらのモデルの場合には早期低血圧のメディエーターは内因性カンナビノイドであろうと推定された。 4)ヒトの感染症性ショックの場合でも、アナンダマイド、2-AGは異常高値を示したこと、これらをポリミキシンBカラムで体外循環除去すると速やかに血圧が上昇したことより、内因性カンナビノイドはヒトの場合でも低血圧の原因となるものと推定している。 5)グラム陰性菌のLPSにかぎらず,グラム陽性菌のペプチドグリカン(PGN)などの細菌性モジュリンもマクロファージ、血小板を活性化し、アナンダマイド、2-AGを産生、放出した。 6)HMG-1の高感度測定方法を確立した(ELISA法)。本方法でナノグラム/mlオーダーのHMG-1を測定しえた。正常血清ではHMG-1は0であった。 7)本方法で各種ショック患者(n=380)のHMG-1を測定したろこと、HMG-1はショックの重症度にほぼ相関して上昇していた。 8)また妊娠中毒症の患者でも上昇していた。 これらのことより感染症性ショックにおいては、早期ショックのメディエーターが内因性カンナビノイドであり、後期ショック、臓器不全のメディエーターはHMG-1であろうと推定された。このように今回の研究で、ショックの診断と治療のターゲットのを明らかにされたことになり、その臨床的意義は大きいものと考えている。
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