研究課題/領域番号 |
13470352
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐川 典正 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00162321)
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研究分担者 |
小川 佳宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
伊東 宏晃 京都大学, 医学研究科, 助手 (70263085)
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
齋藤 能彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30250260)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
2002年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2001年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | 妊娠 / 胎盤 / 絨毛細胞 / 骨髄細胞 / 肝細胞 / 胎児発育 / レプチン / レジスチン / 幹細胞 / 脱落膜 / 子宮らせん動脈 / matrix metalloproteinase / 一酸化窒素(NO) / 一酸化窒素合成酵素(NOS) / 陣痛 |
研究概要 |
胎盤の形成過程を各種細胞生物学的手法により検討した。一酸化窒素(NO)合成酵素の妊娠子宮内組織における発現を検討した。eNOS,iNOS発現は、免疫染色法では羊膜、絨毛膜、脱落膜、胎盤に検出されたが、Western blot法ではいずれも主に胎盤にのみ検出された。 つぎに、胎盤分化調節因子をin vivoで解析することを目的として、骨髄細胞や胎仔肝細胞など多分化能を有する細胞を蛍光色素(GFP)過剰発現マウスより調整し、妊娠9.5日目の正常マウス胎盤に移植し、妊娠14.5〜18.5日目に開腹、胎盤に生着したGFP陽性細胞数を算定した。移植した約50%の胎盤においてGFP陽性細胞が生着し、それらの約5%にCD34,p52kip2,cytokeratinが検出された。従って、この系は正常マウス胎盤における分化調節因子のin vivoでの解析に有用である可能性が示された。 胎児発育に関しては、胎盤で産生されるエネルギー代謝調節物質の発現を検討した。レジスチンは脂肪細胞に特異的に発現しインスリン抵抗性を増大させる新規ホルモンであるが、妊娠初期絨毛組織、妊娠末期胎盤組織においてレジンスチンの遺伝子発現、蛋白産生ならびに分泌を確認した。妊娠末期妊婦の母体血中レジスチン濃度は非妊時と比較して約3倍高値を示した。 さらに、子宮内胎児発育遅延におけるレプチンとレジスチンの関与を検討した。妊娠マウスの妊娠後半期の給餌量を70%に制限すると、仔の出生体重は自由摂食群と比較して有意に低値で、胎仔のレプチンおよびレジスチン遺伝子発現も低値であった。出生後の自由摂食により新生仔体重は対照群にcatch-UPしたが、脂肪組織のレプチン遺伝子発現が有意に亢進していた。今後、この系を用いて子宮内のエネルギー環境が出生後の糖代謝異常などいわゆる生活習慣病発症にどのように関わっているかを解析したいと考えている。
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