配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
|
研究概要 |
軸索損傷後のラット疑核神経細胞内における分子動態 ラットの反回神経を切断した後,喉頭筋を支配する運動神経細胞内で惹起される分子動態を解明した。両側甲状披裂筋に蛍光色素DiIを注入し、喉頭内筋に投射する疑核神経細胞を逆行性に標識したのち、一側の反回神経を切断し、単一細胞レベルで採取した蛍光標識神経細胞をRT-PCR法に供した。免疫組織化学的には軸索損傷後1,7,10,14日において、多くのDiI標識細胞の細胞核がリン酸化Stat3陽性であった。脳幹部の30μm厚の凍結切片を膜スライドに貼付し、蛍光顕微鏡下にDiI標識神経細胞を単一細胞レベルで採取し、定量的RT-PCR法で遺伝子発現を比較した。その結果、GAP-43は軸索損傷後1日目、nNOS遺伝子は損傷後7日目に発現上昇した。Stat3,Reg-2,Bcl-2遺伝子は軸索損傷後7日目に発現上昇した一方、Baxは1,7日目ともに対照と比較して発現が低下した。DiI標識による単一細胞採取と定量RT-PCR法を駆使した本手法によって、喉頭筋群へ投射する神経細胞の軸索損傷後の分子メカニズムを解明することができた。 喉頭における侵害受容体の分布 喉頭における侵害受容体の発現を調べた。喉頭蓋の粘膜上皮および粘膜固有層内に,VRL-1陽性線維を認めた。VR1陽性線維は粘膜固有層には認めたが,粘膜上皮にはみられなかった。VRL-1陽性線維はAδ線維と推察され、喉頭の侵害性刺激受容に関与しているものと考えられる。 喉頭における味覚受容体の分布 喉頭における味蕾様構造物についての報告は散見されるが,その機能については,未だ十分に解明されていない。gustducinを用いた蛍光免疫組織学法を行い,ラット喉頭蓋喉頭面に存在する味蕾様構造物内におけるgustducin陽性味細胞の在を明らかにした。喉頭の味蕾の役割としては,これまで上気道防御反射における化学受容器として機能していると考えらてきた。今回甘味,うま味を受容するgustducinが認められたことより,喉頭蓋の味蕾が,舌の味蕾と同様に味覚受容体としての機能を有し,化学受容体としての機能のみではないことが明らかとなった。
|