研究課題/領域番号 |
13470385
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 輝男 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60077667)
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研究分担者 |
山座 孝義 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (80304814)
後藤 哲也 (後藤 哲哉) 九州歯科大学, 助教授 (70253458)
城戸 瑞穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (60253457)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | チタン / 口腔上皮細胞 / 接着 / ヘミデスモゾーム / 基底膜 / ラミニン-5 / PI3-kinase / F-アクチン / IGF / インプラント / ラミニン5 / 免疫細胞科学 / 歯肉 / 接合上皮 / ラット / 細胞培養 / 免疫細胞化学 |
研究概要 |
上皮細胞の接着と移動に機能するラミニン5(Ln-5)は、付着上皮(JE)の内側基底板(IBL)と外側基底板(EBL)での局在が報告されている。しかしながら、インプラント周囲上皮(PIE)でのLn-5の局在は不明である。光顕的観察により、Ln-5免疫陽性反応物は、インプラントに面するPIEに帯状に認められた。しかし、この界面上部では、Ln-5が局在していなかった。Ln-5は、PIE・インプラント周囲溝上皮・口腔上皮とそれらに面する結合組織との界面にも認められた。電顕レベルでは、PIEとインプラント表面の界面上部では、Ln-5反応物が沈着していたが、低部では、ヘミデスモゾーム(HD)を含む幅100nmのIBLにLn-5反応物が観察された。最内層〜3層のPIE細胞内にもLn-5が観察された。PIE基底側では、基底細胞内およびEBLにLn-5反応物が認められた。EBLの一部分では、EBLの断裂やHD構造の欠如が観察された。 次に、PIE形成時におけるLn-5の分布を抜歯後の口腔粘膜修復過程でのLn-5の分布と比較検討した。抜歯後1日目にJEは消失し、3日後、歯肉溝上皮(OSE)から、Ln-5陽性の上皮細胞が、抜歯窩辺縁から創傷部に水平に伸長した。5日後、伸長した上皮は連続し、抜歯窩創傷部を被覆する新しい上皮が形成された。Ln-5は、この新しい上皮の基底膜に局在していた。1〜2週間後、唯一、口腔上皮によって抜歯窩を覆った状態になる。インプラント埋入後3日目ではJEは消失していた。Ln-5陽性の上皮細胞は、OSEから伸長し、創傷部最前線から根尖側へと伸びた。1〜2週間後、インプラントを取り囲むPIEが形成され、Ln-5は、結合組織界面に局在していた。埋入4週間後では、Ln-5はインプラントとPIE界面にも観察された。 以上の知見より、Ln-5が、インプラントとPIEとの接着ならびに、PIEの形成に深く関与することが示唆された。Ln-5の局在様式と密接に関連するIBL、EBLそしてHDの部分的欠如により、PIEは、JEと比べて接着力が弱く、外部から浸透しやすい上皮であると推測できる。さらに、PIEがOE由来であるとも示唆された。
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