• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

転写因子STAT1とNF-κBによる炎症性遺伝子の発現調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13470388
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 形態系基礎歯科学
研究機関明海大学

研究代表者

大森 喜弘  明海大学, 歯学部, 教授 (50194311)

研究期間 (年度) 2001 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2003年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
キーワード遺伝子発現 / 転写制御 / STAT1 / NF-κB / ケモカイン / サイトカイン / コアクチベーター / 分子生物学 / 癌細胞 / Interferon-γ / MIG / CXCL9 / IP-10 / CXCL10 / 転写共役因子
研究概要

炎症性病変ではマクロファージやリンパ球などの炎症性浸潤細胞とその組織を構成している細胞との間のサイトカインネットワークを介した細胞間相互作用が病変の進展に深く関与している。従来よりヘルパー1型T細胞由来のinterferon-gamma(IFNγ)と腫瘍壊死因子(TNFα)、あるいはグラム陰性細菌由来のLPSの共存下では、マクロファージの活性化やケモカインなどの炎症性遺伝子の発現が相乗的に誘導されることが知られていた。しかしこれらのサイトカインのクロストークがどのようなメカニズムにより遺伝子発現を相乗的に誘導するのかについては不明であった。そこで本研究課題では、IFNγによって活性化される転写因子Signal transducers and activator of transcription 1(STAT1)とTNFα、LPSで活性化される転写因子NF-κBに注目し、これら転写因子が核内においてコアクチベーターCREB-binding protein(CBP)を介してクロストークすることにより標的遺伝子の転写活性が相乗的に誘導されるのではないかとの作業仮説のもと解析を行った。解析の結果、IFNγによって活性化されたSTAT1とTNFαによって活性化されたNF-κBが、タンパク質相互作用を介してCBPと結合し、安定した複合体を形成しケモカインCXCL9遺伝子のプロモーター上に結合し、RNA polymerase IIをプロモーターへリクルートすることを明らかにした。
また、IFNγ、TNFα、LPSはSTAT1、NF-κBなどの転写因子を誘導するだけでなく種々なリン酸化酵素の活性化を誘導することが知られている。そこでSTAT1とNF-κBによる相乗的な転写活性の誘導にMAP kinaseが関与しているかについても検討を行った。その結果、マクロファージにおけるIFNγ、LPSによって誘導されるCXCL9遺伝子の発現には、p38 MAP kinaseが関与していることが示唆され。
本研究課題では、さらに転写制御の観点からIFNγに対する不応答性のメカニズムについても解析を行い、ある種の癌細胞ではIFNγの情報伝達経路が正常であるにもかかわらずケモカイン遺伝子CXCL9、CXCL10が誘導されないことを見いだした。この不応答性にはNF-κBが関与しており、CXCL9、CXCL10が誘導される細胞で認められる構成的なNF-κBが欠如していることにより、IFNγによって活性化されるSTAT1との相互作用が営めず、十分な転写活性が誘導されないことが明らかとなった。
本研究課題で明らかにされたことは、STAT1、NF-κBによる炎症性遺伝子の発現調節機構の理解の一助になるだけでなく、異なる細胞外シグナルがどのように遺伝子の発現を相乗的に誘導するのかといったサイトカインの情報伝達経路と遺伝子発現の制御機構の理解にも大きく貢献できるものである。

報告書

(4件)
  • 2003 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Miki Hiroi: "The transcriptional coactivator CREB-binding protein cooperates with STAT1 and NF-κB for synergistic transcriptional activation of the CXC ligand 9/monokine induced by interferon-γ gene"Journal Biological Chemistry. 278. 651-660 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Miki Hiroi: "Constitutive nuclear factor-κB activity is required to elicit interferon gamma-induced expression of chemokine CXC Ligand 9 (CXCL9) and CXCL10 in human tumor cell lines"Biochemical Journal. 376. 393-402 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Miki Hiroi: "The transcriptional coactivator CREB-binding protein cooperates with STAT1 and NF-κB for synergistic transcriptional activation of the CXC ligand 9/monokine induced by interferon-γ gene"Journal Biological Chemistry. 278. 651-660 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Miki Hiroi: "Constitutive nuclear factor-γB activity is required to elicit interferon gamma-induced expression of chemokine CXC Ligand 9(CXCL9) and CXCL10 in human tumor cell lines"Biochemical Journal. 376. 393-402 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2003 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Miki Hiroi: "Constitutive nuclear factor-kB activity is required to elicit interferon gamma-induced expression of chemokine CXC ligand 9 (CXCL9) and CXCL10 in human tumour cell lines."Biochemical Journal. 376. 393-402 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Miki Hiroi: "The Transcriptional Coactivator CREB-binding Protein Cooperates with STAT1 and NF-κB for Synergistic Transcriptional Activation of the CXCL9 Ligand/Monokine Induced by Interferon-γ Gene"Journal Biological Chemistry. 278. 651-660 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi