研究概要 |
1.カーボネートメタクリレートおよびそのMMA共重合体の合成と重合 1)1,2-オキソ-5-エチル5-メタクリロイルオキシメチル1,3ジオキサンの合成 トリメチロールプロパン,アセトンジメチルアセターノル,メタクリル酸クロライド,エチルホルメートを順次反応させ,反応生成物を精製し,構造確認を行い,白色の結晶物を得た.また,合成したカーボネートメタクリレートは,歯科の汎用のメタクリレート(MMA,1Gおよび3G)に50%以上溶解した. 2)1)で得られたカーボネートメタクリレートとMMAおよびアゾビスイソブチロニトリルの所定量混合し,室温下でメリーゴーランド型の紫外線重合装置を用いて溶夜重合した結果,側鎖に未開環のスピロカーボネートを有するポリマー(分子量:4.0-4.7万)が得られた. 3)1)で合成したカーボネートメタクリレートを1Gと40/60,50/50で混合したコモノマーに,シリカフィラーを40-50wt%添加し,カンファーキノン・第3級アミンを加えた可視光線重合を行ったところ,コモノマーのみの重合に比べて,重合速度が促進され,強固な硬化物を生成することが判明した. 2.2-フェニール1,6-ジオキサスピロ[4.6]ウンデカンの合成およびカチオン重合 5-ペンタジオールと等量の炉トルエンスフォン酸クロライド(p-TsCl)をトリエチルアミン存在下で反応させ、モノトシル化したのち、テトラヒドロピラニール・エーテルで水酸基を保護した状態でリチューム化トリメチルシリル・アセチレンと反応させた。そして、テトラブチルアンモニウム・フロライドでトリメチールシリール基を外したのちスチレン・オキサイドと反応させたのち、環状化によってスピロケタール(2-フェニール1,6-ジオキサスピロ[4.6]ウンデカン)を合成した。そして、得られたモノマーを50〜100℃下でカチオン重合(二重開環重合)を行った結果、数平均分子量2900〜3700のスティッキー状のポリマーが得られ、重合中に0.9〜1.2%の膨張性を示した。
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