研究分担者 |
綾野 理加 昭和大学, 歯学部, 助手 (50297016)
田村 文誉 昭和大学, 歯学部, 講師 (60297017)
はい島 弘之 (配島 弘之) 昭和大学, 歯学部, 講師 (20272833)
尾形 明美 昭和大学, 歯学部, 助手 (40365713)
弘中 祥司 昭和大学, 歯学部, 助手 (20333619)
石田 瞭 昭和大学, 歯学部, 助手 (00327933)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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研究概要 |
【目的】摂食・嚥下時において,食塊を形成・保持する際に口腔と咽頭腔は舌と口蓋によって遮断される.臨床の場においては,顎口腔領域の形態や機能の異常により,嚥下時に舌と口蓋による遮断ができずに摂食・嚥下障害が引き起こされる場合がある.これまでの食塊形成時における舌形態の評価方法は二次元的なものが多く,舌全体を評価しているとはいい難い.そこで,舌の立体的な特徴を検討するために,三次元構築の可能な超音波画像診断装置による描出方法の検討と,規格化しやすい水分保持時の舌形態の描出を行い,食塊保持時の舌背面形態と口蓋との接触状態を明らかにすることによって,舌の運動障害や麻痺による機能不全による摂食・嚥下障害を解明することを目的とする. 【対象と方法】対象者は,健康な成人男性6名(平均年齢26.0歳)である.舌形態描出に先立ち,画像精度を高めるために,モーターを用いてプローブ操作方法の規格化を行った.舌背面上に基準点としてアルミ片を貼付し,規定した量の水分を口腔内で保持させ,顎下部よりプローブを当てたまま走査することにより,舌形態の三次元画像描出を行った.さらに,舌と口蓋が接触している舌背面形態を,舌背上に貼付した基準点より,左右側方,後方,深度の3方向に計測を行い,舌背面形態の指標とした. 【結果および考察】舌形態を描出する際の設定した条件は,回転半径20cm,回転速度1.6°/s,周波数6.0MHzで,移動させた場合が最も歪みが少なかった.舌背上のマーカーを基準として,左右および後方の舌と口蓋の接触部位と陥凹深度の三方向に距離の計測を行うことによって舌背面形態およびその変化を客観的に捉えられた.食塊量の変化に対しては,舌背面形態を立体的に変化させることにより対応している被験者が多かった.この三次元的な食塊形成時の舌形態観察を,臨床に応用することにより,舌の形態異常だけでなく,客観的な機能障害の評価・診断に有効であると考えられた.
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