研究課題/領域番号 |
13470477
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋田 充 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20135594)
|
研究分担者 |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40273437)
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30243041)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
2002年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2001年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
|
キーワード | ドラッグデリバリー / ターゲティング / DDS / リポソーム / 糖修飾 / エンドサイトーシス / 受容体介在性 / 体内動態 |
研究概要 |
リポソーム製剤は、薬物および遺伝子医薬品のキャリアとして注目を集めているが、今後ゲノム創薬などにより開発される微量で強い薬理作用を示す医薬品においては、効率的かつ標的細胞選択的な機能を有する製剤技術が不可欠となっている。本研究では、細胞特異的デリバリーなど高度な機能特性を発揮する第三世代のリポソーム製剤の開発をリードするため、細胞特異的認識素子の表面導入、あるいは各種生体成分との相互作用の制御の指針となる総合的な設計戦略を確立し、同時に実用性の高い各種表面制御技術を開発することを目的とし、新規表面修飾リポソームを開発し、薬物および遺伝子デリバリーの評価を行った。受容体介在性ドラッグデリバリーのアイデアを演繹するためのプロトタイプとして、コレステロールをアンカーとし、ガラクトースまたはマンノースを末端に有するコレステロール誘導体を合成した。培養細胞を用いたin vitroによる競合阻害や温度依存性の実験により、各糖修飾リポソームが特異的な認識を介するエンドサイトーシスにより細胞へ効率的に取り込まれていることを明らかとした。静脈内投与後、各種糖修飾リポソームは効率的かつ肝細胞選択的に移行し、in vivoにおいても有用な薬物キャリアであることが示された。また、遺伝子デリバリー機能を評価したところ、各種糖修飾カチオン性リポソーム/プラスミドDNA複合体は、in vivoにおいて特異的な認識を介するエンドサイトーシスにより肝細胞選択的に取り込まれ、肝細胞選択的な遺伝子発現を示すことを明らかにした。また、効率的な遺伝子発現には、リガンドの導入だけでなく脂質組成および複合体の電荷密度の選択が重要な因子であることも明らかにした。以上の研究を通じて、我々は薬物および遺伝子の体内動態を高度に制御するための新規キャリアを開発に成功し、次世代型リポソーム製剤設計開発の基盤が確立された。
|