研究課題/領域番号 |
13470496
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医薬分子機能学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
國枝 武久 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80012649)
|
研究分担者 |
松永 浩文 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10274713)
石塚 忠男 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (60176203)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
|
キーワード | 液晶 / 分子配向制御 / スメクチック結晶 / コレスレリック液晶 / 分子内環化反応 / 分子間環化反応 / 光延反応 / スメクチック液晶 / コレステリック液晶 / 不斉アルキル化 / 水素移動型不斉還元 / 2-チアゾリン / 不斉Diels-Alder反応 / 熱環化反応 / 不斉機能化 / 複素五員環化合物 / ブロモメトキシ化 / セレノメトキシ化 / ラジカル付加 / スメクチック相 / 人工不斉源 / ラジカル環化反応 / 不斉脱アセチル化 / 光学分割 / 不均斉化 / キラル合成子 / 不斉触媒反応 / 不斉補助剤 |
研究概要 |
本研究では、規則性と流動性を併せ持つ液晶の分子異方性・配向性を使って、酵素類に匹敵する高選択的高効率反応場(系)の構築を行い、多岐にわたる有機反応を分子配向制御に基づき高度に制御し、新しいコンセプトに基づく反応制御系の確立とその要因解明を目的とした。特に、アキラルなスメクチック相下のキラル反応体の不斉反応と光学活性液晶相による不斉制御といった従来成果の乏しい不斉液晶制御に焦点を絞り、多岐にわたる反応系について広範な研究を展開して、液晶制御に基づく新規方法論の創出をはかった。 (1)液晶相下の分子内[4+2]環化反応(一分子反応):スメクチック液晶bis(4-pentyloxyphenyl)trans-1,4-cyclohexanedicarboxylate(BPCD)中での、トランス-4-シクロヘキシルシクロヘキシルデカトリエンカルボン酸エステルを反応基質とした分子内熱環化反応では、構造類似の等方性媒体4-pentyloxyphenyl cyclohexanecarboxylate(PCC)やメシチレン中とは明らかに異なる高いジアステレオ選択性と化学収率を与え、顕著な液晶特異性を示した。しかし、類似構造のトリエンエステルでは選択性は全く認められず、本反応が基質構造に大きく依存することも併せて明らかになった。 (2)液晶相下の分子間[4+2]環化反応(二分子反応):ピロール誘導体とアレンジエステルとの分子間環化反応において、液晶媒体による立体制御と反応加速の両面で優位性が認められたが、顕著な選択性は得られなかった。また、不斉補助剤を有す2-オキサゾロンとシクロペンタジエンとの環化付加反応についてもスメクチック液晶中にて検討したが、ジアステレオ選択性の飛躍的な向上は認められず、液晶媒体の特異性を示すことはできなかった。 (3)液晶相下の光延反応(四分子反応):trans-4-置換-cyclohexanolの光延反応による水酸基反転において、等方性溶媒(ベンゼン)中では完全に反転した生成物が得られたのに対し、スメクチック液晶中では立体保持の生成物が高選択的に得られるという、興味深い知見が得られた。 以上の成果より、単分子及び多分子反応系の液晶制御能についてある程度の成果を収めることができた。
|