研究概要 |
本研究は主に病棟における入院患者の取り違えによる投薬,注射,輸血ミスの発生等を防止することを主眼として,バーコード読取機能付き携帯情報端末を用いた医療過誤防止システムの開発と構築を目指したものである。 本研究で開発する医療過誤防止システムの概略は以下である。 (1)患者には入院から退院までの間,バーコード付きリストバンドを装着していただく。 (2)バーコード付きリストバンドによって,患者本人であることを確実に確認し,患者取り違えによるミスの発生を未然に防ぐ。 (3)病院情報システム(オーダリングシステム)との連携により,携帯情報端末装置には処置等に関する詳細情報を表示・当該患者との整合性のチェックをする。これにより,常に確認を行いながら処置を実施することができ,勘違い等による処置ミスを防止する。 本研究による医療過誤防止システムの開発と構築を通し,以下の成果を得た。 (1)安全管理を考慮した業務ワークフローを設計した (1)注射処方(病棟,ICUの場合) (2)内用・外用処方(入院の場合) (3)針刺し等事故防止のために (2)安全管理体制充実のために実施した海外実地調査について報告書を纏めた (3)岐阜大学医学部附属病院で実施した在庫物品調査の報告書を纏めた これにより,病院内で使用されている物品の標準的なバーコード(EAN128)への対応の可能性が明らかになった。 同時に,バーコード機器の利用可能範囲を特定するために有効であった。
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