研究課題/領域番号 |
13470513
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東京理科大学 (2002) 金沢大学 (2001) |
研究代表者 |
玉井 郁己 (玉井 郁巳) 東京理科大学, 薬学部, 教授 (20155237)
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研究分担者 |
崔 吉道 金沢大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (40262589)
辻 彰 金沢大学, 薬学部, 教授 (10019664)
芳賀 信 東京理科大学, 薬学部, 助教授 (70110666)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2002年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2001年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | トランスポーター / 基質選択性 / 有機アニオン / 有機カチオン / カルニチン / OATP / OCTN / 肝臓 / 腎 / 肝 / 膜輸送 |
研究概要 |
薬物動態特性は薬効に著しい影響を及ぼすため、未然の薬物間相互作用予測や副作用防止のためには、薬物動態制御機構の解明が必要である。薬物動態に影響する生体側因子の一つはトランスポータータンパク質である。薬物のような生体異物輸送に働く分子の中には幅広い基質選択性を有する場合が多い。そのような基質多選択性(multispecificity)に関する検討が行われてきているが、未だ不明である。本研究では、薬物輸送に働く有機アニオントランスポーターOATPならびに有機カチオン/カルニチントランスポーターOCTN2に焦点を当て、その基質多選択性発現機構に関する検討を行った。 OCTN2は生理的基質としてカルニチンを、異物としてTEAのような有機カチオン輸送に働く。カルニチン輸送における駆動力はNa^+であるが、TEA輸送にはNa^+が関与しない。OCTN2上にはカルニチンに特異的なCOO^-基を認識する部位が存在し、その活性化にNa^+の関与が示唆された。一方、TEAにはCOO^-基がなく、Na^+の影響を受けないと考えられた。カルニチンとTEAは相互阻害を示すが,完全な競合阻害形式ではなく、両者はOCTN2タンパク質上の活性部位を一部共有しており、完全には一致しないものと推定された。Na^+はカルニチン輸送の駆動力となるが、TEAはそれ以外のエネルギーを利用していると考えられる。 従って、同一のトランスポーター上で基質により膜輸送機構が異なるトランスポーターの多機能性(multifunctionality)が、トランスポーターの示す基質多選択性の一メカニズムとして関与していることが示された。このようなトランスポーター分子のmultifunctioniltyに基づくmultispecificityの解析は例がなく、薬物トランスポーターの基質選択性の解明に新たなアプローチを提示する成果を得ることができた。
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