配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
白頭山火山の10世紀頃の噴火に関連する火砕琉堆積物から採取した埋没樹木について,噴火による枯死年代を14Cウイグルマッチングにより正確度をあげて決める研究を実施した.白頭山麓の火砕流・泥流堆積物に埋没した樹皮付きの炭化樹木につき,樹木が持つ102個の年輪のうち35個を高精度で14C年代測定を行った.その結果をINTCAL98データセットに対してウイグルマッチングを行い,最外年輪の年代,すなわち火砕流による枯死年代としてAD935+8-5を得た.白頭山の北東方向の中国領土を治めていた渤海国の滅亡(926年)は,白頭山の巨大噴火とは直接関係しないことが結論される.今後の研究として,ウイグルマッチングの精度をあげるために,屋久杉年輪の1年毎の調査を行い,自前の高精度の14C年代-暦年代較正データを作成することを計画している. さらに,鬱陵島の噴火年代を検討した.日本に分布するU-Okiテフラは,9.3-9.6kaBPの年代が与えられるいる.この年代を,正確に評価することを目的として,鬱陵島の調査を行った.鬱陵島では,ATテフラ(2.5kaBP)以降のテフラとしてU1,U2,U3,U4の4層が区分されている.今回の調査でも、U2,U3,U4が確認でき,それぞれから,年代測定試料(木炭片,土壌など)を採取することが出来た.予察的な結果として,U2テフラにより炭化した樹木片の14C年代が約5kaBP(年輪が壊れたため14Cウイグルマッチングは実施できなかった),U3直下の土壌が7.5-8.0kaBP, U4直下で採取した木炭片および土壌が,それぞれ12kaBP,10-12kaBPと得られた.これまではU2,U3,U4は9.3-9.6kaBP頃にほぼ同時に噴出したものと考えられてきたが,この定説とは大きく異なる結果が得られた.
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