研究分担者 |
片山 倫子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (20056386)
杉原 黎子 岡山大学, 教育学部, 教授 (90019406)
前島 雅子 郡山女子大学, 家政学部, 教授 (70101219)
尾畑 納子 富山国際大学, 地域学部, 教授 (60201406)
吉田 紘子 茨城大学, 教育学部, 教授 (80007533)
|
研究概要 |
同一の家庭用回転ドラム式洗濯機を7大学で使用し,その"ドライコース"により毛100%セーター2種(防縮加工,未加工)を試料として,繰り返し洗濯する合同実験を行なった. その結果,1)羊毛標準試験布による収縮率では試験機関間の差は殆ど認められない.2)MAn値と収縮率には高い相関性が見られる.3)セーターは機関内・間ともに全体的に変動が大きいが,共通点として,(1)未加工品は丈方向が1〜2回まで伸び,3回以後ほぼ単調に収縮する.ゴム編み部分の収縮が著しい.(2)防縮加工品では,収縮率は低く加工の効果が認められた.しかしゴム編み部分は未加工品と同程度に収縮した. さらにそれぞれの分担研究により以下の事項を明らかにした. 4)毛セーターの洗濯による損傷程度の判定法として,厚さ・光透過率の測定,表面状態の観察と写真撮影法が有効である.5)MA試験布の改良により機械作用を評価することができる.6)洗濯物を折り畳んで入れると,槽内の位置によって機械力(MA値)が相違する.7)各洗濯機種の"ドライコース"洗濯での損傷性(収縮率)は,渦巻式洗濯機<ドラム式洗濯機<Wascator(EU標準)の順で大きい.8)絹ブラウス,綿スムース,絹およびレーヨン平織地は,収縮強度,伸度,厚さ,硬さの変化は個々に変動が大きい.テンセルも製品によって異なる.9)洗剤の影響は市販の"ドライマーク洗剤","お酒落着用中性洗剤"ともに標準の非イオン界面活性剤と同程度の風合い変化をもたらす.10)洗濯後の柔軟剤(0.05%)処理は,毛100%未加工セーターの収縮を緩和する.
|