研究分担者 |
三宅 征夫 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 部長 (50000071)
藤井 良宜 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (10218985)
山口 悦司 宮崎大学, 教育文化学部, 講師 (00324898)
猿田 祐嗣 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (70178820)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2003年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2001年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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研究概要 |
TIMSS1995の理科課題のうち,小学校と中学校で共通の課題を中心に,日本の児童・生徒の記述文をすべてテキストデータにしてエクセルデータとして分析した。特に,誤答の児童・生徒の回答を対象に特徴を分析した。その結果,誤答の児童・生徒には,次のような傾向が示唆された。 (1)課題文に含まれる言葉や,図に示され左ものの名称を使って回答する傾向がある。 例えば,農地と川の課題の「土」「砂」「ねん土」「どろ」や,暑い日の課題の「かわく」等 (2)目に見えない,自然の仕組みへの言及が少ない 次に,児童・生徒の回答にみられる特徴をさらに明らかにするため,テキストマイニングソフトウエアWord Minerを分析に導入した。そして,小・中学生を対象としたTIMSS(1995)理科の論述課題のうち,次の特徴を持つ課題に焦点を当てて分析を行った。 1.酸化や燃焼に関する課題 2.複数の見地を要求する課題 3.実験計画に関する課題 これらの課題に対して,テキストマイニングソフトWord Minerによる有意性分析を実施し,次のような傾向を得た。 1.回答には,課題文中や図に書かれている事柄についての言及が多く,現象の指摘に終わっているものが多い。 2.現象の背後にある法則や規則性を適用して現象と関係づける回答が少ない。 3.複数の見地を要求する課題では,回答者としての児童・生徒は複数の観点と考えていても,出題者側から見ると同一の観点に含まれるような回答がある。そのことが,日本の児童・生徒の二つ目の回答に「無回答」が多いと判定された理由の一つになっている。 これらの回答分析の結果と,教育課程の関係についての分析も行った。特に,酸化や燃焼にかかわる課題については入念に検討し,その結果から,TIMSSカリキュラム基準に含まれる事項で学習指導要領に明示されていない事柄について言及し,望ましいカリキュラムのあり方についての提言をした。
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