研究概要 |
本研究では,平13年度と14年度にわたり,大量のデータからの有用情報の抽出について研究し,組織化されたデータの汎化エントロピーによる評価,データ組織化のための計算スキーマの考案,論理式に基づいた情報表現,学習,ゲームにおける組合せ問題の解決などについて成果を得た. 本研究ではまず,このエキスパートモデルを決定木の各頂点にエキスパートを置いたブースティング-決定木ブースティング-を導入し,汎化エントロピーに基づき損失を評価することにより,決定木ブースティングの性能を評価するとともに,出力が多値の場合のブースティングアルゴリズムを与えた.また,決定木と例題の系列が与えられたとき,その決定木を枝刈りして得られる部分決定木(プルーニング)のうちで,その例題の系列の上で最小の損失のものを求める問題が,最適プルーニング問題である.この問題を解くアルゴリズムで,Vovkによる統合アルゴリズム(aggregating algorithm)のスキームに基づいたものを与えた. 論理式は,仮説を表す最も基本的な表現形式であり,論理式を学習するアルゴリズムについて研究し,仮説の表現形式として単調DNF式の排他的論理和を用いた場合の学習アルゴリズムを与えた.さらに,例題が一様分布に基づいて生起するという仮定のもとで,項数がO(logn)で与えられる単調DNF式で与えられる論理関数を学習するアルゴリズムを与えた.
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