配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
本研究では,まず仮想心理実験室の中核となるシミュレータを構築した.シミュレータは,「Wasonの2-4-6課題」という実験心理学で頻繁に取り上げられてきた課題を,2人の問題解決者(被験者)が協同して解決するプロセスをシミュレートする.本シミュレータは,2人の問題解決者に対応して,それぞれ設定される6つのパラメータ(各パラメータがそれぞれ数種類の値をとる)によってその動作が規定される.パラメータの組み合わせを理論的に計算すると数億のオーダーとなることからも,本シミュレータが十分複雑な対象を扱うものであることがわかる.研究の第1段階として,人間の協調問題解決プロセスのモデルとしてのシミュレータの心理学的妥当性を認知科学的実験手法を通して検討した. 本年度は,開発されたVPLを,大学1年生を対象とした現実の授業場面に導入し,授業実践を行った.VPLのようないわゆるマイクロワールドを利用した学習は,多くのメリットを持つと同時に,その弱点も指摘されている.例えば,学習者は,マイクロワールド上での科学的活動に現実感を感じることができず,そこで種々の活動が,現実に結びつかない形式的,表層的な操作に終わってしまうことなどがあげられる.本研究では,そのような弱点を補うために,VPLを用いた仮想心理実験と,それを補う現実の心理実験とを組み合わせた授業デザインを提案し,実践活動を通してその有効性を検討した.授業実践の結果,良好な学習効果が得られた.
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