研究分担者 |
岡村 寛之 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10311812)
土肥 正 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00243600)
尾崎 俊治 南山大学, 数理情報学部, 教授 (10034399)
高橋 敬隆 早稲田大学, 商学部, 助教授 (20329064)
海生 直人 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (80148741)
|
配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
研究概要 |
本研究は、性能評価と信頼性解析を融合することで、故障や費用構造を伴う情報通信システムの設計・運用を支援するための新しい性能・信頼性評価技術(PRET : Performance/Reliability Evaluation Technology)を開発することを目的とし、以下の研究成果を得た。 1.拡散モデルの開発とその応用に関する研究 木村は、系内客数過程が連続時間マルコフ過程として定式される状態依存性をもつ待ち行列を一般化したクラスに対し、既存の厳密解と整合する近似系内客数分布を与える拡散モデルを開発した。この研究成果は、計3編の論文[3,11,23](研究成果報告書・研究発表の項参照)にまとめられている。高橋は、基本復帰境界をもつ拡散モデルを用いて、遊休状態からのサービス開始時にセットアップ時間を要するM/G/1待ち行列を解析した。拡散モデルの情報通信システムへの応用として、河西・高橋は基本復帰境界をもつ拡散モデルを用いて、ファクシミリ通信ネットワークにおけるサーバの性能評価を行い、論文[2]にまとめた。岡村・土肥は情報通信システムと類似性をもつ多段生産在庫システムの性能評価に拡散モデルを応用し、その結果を国際会議で発表した。木村は情報通信システムへの拡散モデルの応用に関する文献調査を行い、その調査結果をサーベイ論文[24]にまとめた。 2.ソフトウェア若化スケジューリングに関する研究 ソフトウェアの運用信頼性を向上させるためにシステムの稼動を一時的に停止し、内部構造を浄化した後にシステムを再稼動する若化(rejuvenation)という予防保全的手続きが経験的に行われてきた。岡村・土肥・海生は、離散時間あるいは連続時間の確率モデルを用いて、コスト有効性などの評価規範の下で最適な若化スケジュールを導出する問題を理論的に解析した。この研究成果は計8編の論文[1,7,8,9,14,16,17,18]にまとめられている。 3.ソフトウェア信頼度成長モデル関する研究 フォールト除去作業によってソフトウェアの信頼度が向上していく過程は、フォールト発見事象に適当な仮定をおくことで、ソフトウェア信頼度成長モデルとよばれる確率過程によって表現できる。岡村・土肥・尾崎は、モジュール構造をもつソフトウェア信頼度成長モデル、ソフトウェア信頼度成長モデルのパラメータ推定、最適ソフトウェア・リリースなどの問題に取り組み、従来の解法よりも高い精度をもつ解を導出した。これらの研究成果は計6編の論文[4,5,6,13,15,21]にまとめられている。 4.その他の研究 岡村・土肥・尾崎は、コンピュータシステムの自動スリープ・スケジューリング最適解を求めるための再生過程モデルを構築し、計3編の論文[10,19,22]にまとめた。また、土肥・海生・尾崎は不完全修理を伴うある取替問題に対して、修理時間限度を推定するノンパラメトリックな方法を提案し、論文[20]にまとめた。
|