配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
社会システムや産業活動に関係して現れる生産計画,環境計画,最適配送計画,スケジューリング,最適投資などを始めとする重要な問題の多くは,大規模かつ離散構造を有するシステムの最適化問題として捉えられる.本研究では,離散最適化問題の有用な構造的性質の抽出,および,その性質に基づいた高速アルゴリズム開発に主眼をおき,最適化分野における基礎理論の構築を試み,研究に取り組んだ.活発な研究活動の結果,新しい離散構造の発見や新しい効率的なアルゴリズムの開発などの多くの成果を得た.主要な成果としては,以下のものが挙げられる. 1.ネットワークのカット関数の劣モジーラ性に基づき,フロー要求条件を満足する供給施設の最適配置問題の効率的アルゴリズムを示した. 2.新しい最大2部マッチングアルゴリズム及び最大隣接順序に基づく新しい最大フローアルゴリズムを提案した. 3.劣モジュラ関数最小化のためのメンバシップ・オラクルに基づく0(n^2)アルゴリズムを提案し,劣モジュラ関数最小化問題への新しいアプローチを示した. 4.経済学における祖代替性と離散凹性の等価性を明らかにし,離散凹効用関数を用いてGale-Shapleyの安定マッチングの概念を拡張し,その安定解の存在を構成的に示した。 5.劣モジュラ構造の基本である基多面体の概念を一般化した複基多面体の概念を創出し,劣モジュラ構造の新しい枠組みを提示した. 6.単調線形システムの極小整数解を列挙する逐次擬多項式時間アルゴリズムを示した. 7.極大頻出集合の列挙が計算量的に難しいこと,ならびに,極小非頻出集合列挙が多項式時間で可能であることを示した. 8.ホーン理論とqホーン理論に対する関数従属性が効率よく求められることを示した. 9.単調論理関数の非双対性判定がo(log n)の推定ビットで可能であることを示した.また,様々な部分クラスの双対化問題を多項式時間で解くことが可能であることを示した. 10.データ解析手法として,データの本質を表す属性集合を求めるアルゴリズムを提案した.また,不完全なデータを説明する問題への拡張に対して,不完全性の度合いを考慮した4つの拡張を提案し,構造的性質,ならびに,計算量的性質を明らかにした.
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