研究分担者 |
宮本 毅 東北大学, 東北アジア研究センター, 助手 (90292309)
後藤 章夫 東北大学, 東北アジア研究センター, 助手 (80312685)
西村 太志 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40222187)
大島 弘光 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10213703)
林 信太郎 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (90180968)
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研究概要 |
本研究では、爆発エネルギー量・爆発深度と災害をふくむ噴火地表現象の様相・規模・分布とを結ぶスケーリング則を,野外爆発実験などにもとづいて確立することが目的である. 昨年度の実験では,水中実験そのものに慣れることを大きな目的にしており,スケールと爆薬などの固定用を兼ねた筏の工夫,観測機器の設置方法,観測条件などについて検討行い,その意味では将来の実験にとって重要な経験が得られた.今年度は昨年度と同様に,海底火山活動の模擬を目的とした水中発破実験を行い,それを本格化しようとした.具体的には,海底火山活動の模擬として,水中吊るし発破に代わり,より現実的に適用性の高い底付け発破による実験を試みようとした.その内容は,下記のとおりである. 1.水中衝撃波センサー及び水中マイクロホンによる水中圧力波観測 2.ピエゾ圧力センサー及び赤外高速ビデオによる衝撃波観測 3.ウオータードーム、水柱、弾動放出物などの可視・赤外ビデオ映像同時撮影 4.爆発現象の地震・空振・映像一括同時記録 5.地震観測 6.気象観測(天候メモ、波の状況メモ、気温、水温、風向、風速、気圧) 実験の薬量は250〜4000gの範囲であり,発破形式としては,最初は水中釣るし発破を行い,実験に慣れた後に底付け発破を主として行おうとした.予定したスケール化水深は0〜2.15m/g^<1/3>であった.しかし,実験を行った10月下旬の天候は悪く,洞爺湖における風雨によって実験装置を湖面上に組み立てることができなかった.そのため,やむを得ず目標をかえ,水中釣るし発破による水面上にあらわれる圧力波の観測と現象の可視・赤外観測,さらに高速度ビデオによる観測のみを行った.この結果は前年度の画像記録による考察結果を補強すると同時に,野外における爆風の可視化についてもかなり確実に捕らえることができるようになった点で,意義あるものと考えている.
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