配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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研究概要 |
レーザー分光法を利用したプラズマ中の電界計測は,プラズマに非接触で時空間分解に優れた測定が行なえる利点をもつが,従来の方法で得られる計測感度は800V/cm程度に限られ,材料プロセスプラズマにおける材料-プラズマ界面のシース電場構造を計測するには感度が不十分であった。本研究は,数年前に水素について実現されたレーザー誘起蛍光減光法を汎用性のあるアルゴンに適用し,アルゴン添加負性プラズマのシース電場構造を計測することを目的として実施された。まず,可能性のあるいくつかの励起・観測スキームを実験的に試し,電界計測にとって最も効果的なスキームを決定した。次に,理論計算が困難なアルゴン高励起状態のシュタルク効果を既知電界下で実験的に測定し,シュタルスペクトルのデータベースを整備した。これにより,プラズマ中で観測されたシュタルクスペクトルと既知電界下で測定されたシュタルクスペクトルとの比較からプラズマ中の電界を求めるごとを可能とした。以上により,アルゴンをプローブ粒子としたレーザー誘起蛍光減光によるプラズマ中の電界計測を技術的に確立し,電界計測感度として3V/cmの世界最高値を達成した。確立した測定方法を誘導結合アルゴンプラズマに適用し,プラズマ中に挿入した金属電極前面のシース電界構造を計測した高感度を活用し,これまでに測定された例の無い微弱電界領域まで測定を行ったところ,プレシース領域でマイクロ電界によるものと思われる電界分布を観測した。最後に,アルゴンにSF_6を添加した電気的負性プラズマにおけるシース電界測定を行い,電気的負性プラズマは急峻な電界変化を有する多段階構造のシース電界構造を有することを初めて実験的に示した。以上の様に,本研究は当初計画どおり順調に進捗した(達成度100%)。
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