配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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研究概要 |
本汚染土壌現場浄化プロセスでは,土壌中への電場の印加によって発生する電気浸透流を利用して土壌中に浄化処理液を流通させ,土壌表面官能基のイオン交換・錯形成反応を促進して土壌から間隙水中への汚染物質の脱離を行う.このようにして脱離した汚染物質を含む間隙水を電極井戸まで移動させて吸着などの従来法を用いてその除去を行う.本プロセスのキーテクノロジであるイオン交換・錯形成反応による土壌表面からの汚染物質の除去および電気浸透流を利用した汚染物質の輸送について,実験による現象解明とシミュレーション・モデルの構築に重点を置いて本研究を行った. 本法適用の是非を判定ためには,サンプル汚染土壌を用いて,電気浸透流量の発生や汚染物質除去の程度を調べる必要がある.本研究では,電場と圧力場が共存するキャピラリー内流れの解析解を利用した電気浸透流量の測定装置を開発し,シリカ・キャピラリー,シリカ粒子充填層の定常電気浸透流およびpH変化に伴ってシラノール基の解離が生じる場合の電気浸透流量の非定常変化を測定した.特に,中性処理液では汚染物質の脱着が殆ど期待できないこと,キレート剤の利用は除去効果が大きいこと,また,表面に吸着した金属イオンの価数が大きい場合には脱離に長時間を要することが分かった. アルミノール基とシラノール基をもつカオリナイトを模擬土壌として用い,酸・アルカリ滴定から表面電荷量を求めた.さらに,Poisson-Boltzmann式の近似解を用いて表面電位を推定してゼータ電位との比較を試みたが,近似解の制限から評価法の確立までには至らなかった.そこで,電気二重層内の電位分布、物質移動・表面反応の変化を遅延効果として汚染物質の吸脱着反応を組み入れたモデルを開発した.銅汚染土壌のシミュレーション解析結果より,本浄化法は陽極付近の土壌修復に特に有効であり,また,浄化の促進にはポンプ圧入による間隙水の強制流通の併用も効果があることを明らかにした.
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