研究概要 |
発電所やコ・ジェネレーションシステムのような固定排出源からの排ガスを処理するためにはNOx,微粒子およびSOxに対して個々の処理システムが必要である。電気集じん装置およびSOx処理装置は高効率であるが,NOx除去装置は除去効率や運転コスト面で問題がある。革新的な高効率NOx, SOx,微粒子同時除去システムを開発することを目的として,一段式プラズマ・ケミカルハイブリッドリアクタを用いて,実際のデイーゼルエンジン排ガスの運転温度での処理実験を行った。このシステムの評価は各成分の除去率,電力消費,反応生成物同定,最適化および経済性によってなされた。従来の研究から得られたデータに基づいて,スケールアップに必要なリアクタや電源の設計指針やエンジニアリング評価を行った。その結果,NOxを75%, SOxを93%,および集じんすることが困難なみかけ抵抗率の低い微粒子(スス)を88%以上除去することができた。COおよびN_2Oのような副生成物の発生は10ppm以下に抑制できた。NOxの処理コストは選択的触媒還元(SCR)システムの1/4以下となり(SCRプロセスによるNO処理コストが$12,000/トンなのに対してプラズマケミカルハイブリッドシステムではおよそ$4,200/トンである),さらに,本システムでは一段でNOx, SOx,微粒子の同時除去が可能であるため,これまで個別に設置されていた除去装置が不用となり,より大きな経費の削減が可能となる。
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