配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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研究概要 |
製紙汚泥を焼却処分してエネルギーを回収するのではなく,『亜臨界水処理による物質循環型ゼロエミッション資源化・エネルギー化技術開発』を目的とする. パルプ汚泥を亜臨界水および超臨界水で処理し,反応生成物の種類および生成量に及ぼす温度及び反応時間の影響を,小スケールバッチ実験により検討した.その結果,水相に加水分解により生成する可溶化物は亜臨界水の領域で570K付近において最大量を示した.反応時間は5〜20分で十分であった.水溶液中には,有機酸としてグリコール酸,乳酸,蟻酸,酢酸,レブリン酸,プロピオン酸,糖類としてセロビオース,グルコース,フルクトース,エリトロースが生成した.対照実験として,純セルロース繊維から成る化学実験用ろ紙についても実験的な検討を行い,分解反応機構を明らかにした. さらに,市販のイオン交換樹脂や当研究室が開発したキトサン系吸着剤を用いて,生成物の分離法について吸着平衡関係,吸着速度,破過曲線,溶離曲線などを単一成分系,多成分系について詳細な実験的,理論的検討を行い,各成分の分離が出来ることを明らかにしている. 亜臨界水処理後の生成物をメタン発酵すると高速高消化率化が可能かどうかについて,模擬液(酢酸のみ)および汚泥を亜臨界水加水分解した液を用いて実験したところ,メタン発生量が亜臨界水処理をしない場合に比べ,最大10倍多くなることを明らかにした.
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