研究課題/領域番号 |
13480221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
片岡 幹雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (30150254)
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研究分担者 |
上久保 裕生 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (20311128)
山崎 洋一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40332770)
今元 泰 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80263200)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2001年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | イェロープロテイン / 光反応 / M中間体 / CD / FTIR / トリプシン処理 / 構造変化 / X線溶液散乱 / 光受容蛋白質 / シグナル伝達 / 蛋白質構造変化 / X線結晶構造解析 / N末欠損体 / 光反応サイクル / キモトリプシン処理 / 閃光分解 / 部位特異的変異体 |
研究概要 |
イェロープロティン(PYP)の光反応に伴う構造変化及びPYPの標的分子を検索し、以下の結果を得た。 1.結晶中での光反応の顕微分光による測定の結果、結晶中では、光反応が起きないか、または反応速度が極めて速くなっていること、すなわち、結晶中での光反応は、結晶格子による力場の影響を敏感に受けることが示された。 2.M中間体形成に伴う構造変化は、N末領域のαヘリックスの消失、C末領域でのαヘリックスの緩み及びβコアの構造変化であることを、N末欠損体に対する光照射下のCDにより明らかにした。 3.これらの構造変化に伴い、C末端側β構造を含むドメインの膨潤が起きるとともに、N末領域がC末端側ドメインから離れることをN末欠損体に対する光照射下のX線溶液散乱により明らかにした。 4.M中間体における構造変化にはN端のドメインとCドメインのβ構造間の静電相互作用が関わっていること及びこの静電相互作用はN末7番目から15番目の残基によって担われていることを明らかにした。 5.M中間体に特異的にクエン酸イオンが結合することを示した。クエン酸結合サイトの一つはR52であることを同定し、標的分子の結合形態を推測した。 6.R52Qの結晶構造解析により、L中間体形成の際に重要な働きをする水分子を同定した。また、この水分子の動きにより、発色団のpKaが制御されていることを示した。 7.Ectothiohalophira halophilaの菌体破砕分画から、M中間体の崩壊速度を遅くする成分のあることが発見された。この成分は、タンパク質であることが明らかになった。現在、ゲルろ過による精製を行なっている。 8.単純化した配列を持つ人工PYPを設計し、構造形成を調べた。全長にわたる単純化は不可能であったが、部分的な単純化に成功し、構造形成、機能発現に必要な部位の同定がなされた。
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