高次構造に基づくストレス応答転写調節機構の解明

• 研究課題/領域番号: 13480222
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生物物理学
• 研究機関: 横浜市立大学
• 研究代表者: 西村 善文 横浜市立大学, 総合理学研究科, 教授 (70107390)
• 研究期間 (年度): 2001 – 2003
• 研究課題ステータス: 完了 (2003年度)
• 配分額: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円); 2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円); 2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円); 2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
• キーワード: 基本転写因子 / テロメア / DNA結合タンパク質 / TRF1 / TRF2 / NMR / TFIIE / Zn結合ドメイン / 転写因子 / Rap1 / Myb / DNA認識 / テロメア結合タンパク質 / DNA結合ドメイン / 表面構造 / hTRF1 / hRap1

研究概要

基本転写因子のTFIIEαのZn結合ドメインの立体構造をNMRにより解析した。構造解析の結果全く新しいフォールドのZn結合ドメインであった。分子表面に露出している酸性アミノ酸を標的にして部位特異的な変異体を作成した。立体構造を変化させることなく、基本転写活性を約1.5〜2.5倍増加させることができた。具体的にはD140Aは約1.5倍の転写活性化を、D164Aは約2倍の転写活性化を、D164Kは約2.5倍の転写化成化を野生型に比して増加させることができた。加えて、これらの変異体は他の基本転写因子との相互作用にも影響を与えない。また、鋳型となるプロモーターDNAのトポロジーによらず、転写活性を増加させることができる。また二重鎖テロメア配列に結合しテロメラーゼの活性を制御するタンパク質としてヒトではTRF1とTRF2がある。今回TRF2のDNA結合ドメインとテロメアDNAとの複合体構造をNMRで決定した。3本のヘリックスからなるMyb様構造を保持していた。3本のヘリックスの立体配置はフリーの時と同じであったがDNAの小さな溝で特異的にTT配列を認識しているN末のフレキシブルアームがフリーの時に比べてDNAとの結合により固定化された。3番目のヘリックスがAGGG配列をDNAの大きな溝で特異的に認識していた。以前に決定したTRF1とテロメアDNAとの複合体構造と比較してDNA認識様式はほとんど同じであったがTT配列をDNAの小さな溝で認識するのにTRF2はリシン残基を使用しているがTRF1はアルギニン残基を使用していた。TRF1のほうがTRF2よりDNA結合能が強いのでTRF2のリシン残基をアルギニン残基に変えた変異体を作成したところ野生型よりもDNA結合能が強くなった。

研究成果

• [雑誌論文] Evaluation of protein-DNA binding affinity by electrospray ionization mass spectrometry. (2005)
  • 著者名/発表者名: Akashi, S., Osawa, R., Nishimura, Y
  • 雑誌名: J am Soc mass Spectrom Vol,16 ページ: 116-125
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] Comparison between TRF2 and TRF1 of their telomeric DNA-Bound structures and DNA-binding activities. (2005)
  • 著者名/発表者名: Hanaoka, S., Nagadoi, A., Nishimura, Y
  • 雑誌名: Protein Science Vol,14 ページ: 119-130
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] Evaluation of protein-DNA binding affinity by electrospray ionization mass spectrometry. (2005)
  • 著者名/発表者名: Akashi, S., Osawa, R., Nishimura, Y.
  • 雑誌名: J am Soc mass Spectrom 16 ページ: 116-125
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] Comparison between TRF2 and TRF1 of their telomeric DNA-bound structures and DNA- binding activities. (2005)
  • 著者名/発表者名: Hanaoka S, Nagadoi, A., Nishimura, Y.
  • 雑誌名: Protein Science 14 ページ: 119-130
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] Selective dissociation of non-covalent bonds in biological molecules by laser spray. (2004)
  • 著者名/発表者名: Takamizawa, A., Ito, Y., Osawa, R., Iwasaki, N., Nishimura, Y., Akashi, S., Hiraoka,K
  • 雑誌名: Journal of mass Spectrometetry Vol,39 ページ: 1053-1058
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] A Novel zinc finger structure in the large Subunit of human general transcription factor TFIIE. (2004)
  • 著者名/発表者名: Okuda, M., Tanaka, A., Arai, Y., Satoh, M., Okamura, H., Nagadoi, A., Hanaoka, F., Ohkuma, Y., Nishimura, Y.
  • 雑誌名: The Journal of Biological Chemistry 279 ページ: 51395-51403
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] Selective dissociation of non-covalent bonds in biological molecules by laser spray. (2004)
  • 著者名/発表者名: Takamizawa, A., Ito, Y., Osawa, R, Iwasaki, N., Nishimura, Y., Akashi, S., Hiraoka, K.
  • 雑誌名: Journal of mass Spectrometetry 39 ページ: 1053-1058
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] DNA・RNAヌクレオチドの合成と代謝 (2003)
  • 著者名/発表者名: 西村 善文
  • 雑誌名: 化学と工業 第56巻 ページ: 541-544
  • NAID: 10011837769
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] DNA2重らせん構造の歴史-発見・実証・展望- (2003)
  • 著者名/発表者名: 西村 善文
  • 雑誌名: 蛋白質・核酸・酵素 VoL.48 ページ: 707-717
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] Crystallization and preliminary X-ray diffraction studies on the DNA-binding domain of the transcriptional activator protein PhoB from escherichia coli. (2002)
  • 著者名/発表者名: Shindoh, K., Maenaka, K., Akiba, T., Okamura, H., Nishimura, Y., Makino, K., Shirakihara,Y
  • 雑誌名: Acta Crystallography Vol,58 ページ: 1862-1864
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] A Novel zinc finger structure in the large subunit of human general transcription factor TFIIE. (2002)
  • 著者名/発表者名: Okuda, M., Tanaka, A., Arai, Y., SAto, M., Okamura, H., Nagadoi, A., Hanaaoka, F., Ohkuma, Y., Nishimura,Y
  • 雑誌名: The Journal of Biological Chemistry Vol,279 ページ: 51395-51403
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] Crystallization and preliminary X-ray diffraction studies on the DNA-binding domain of the transcriptional activator protein PhoB from Escherichia coli. (2002)
  • 著者名/発表者名: Shindoh, K., Maenaka, K., Akiba, T., Okamura, H., Nishimura, Y., Makino, K., Shirakihara, Y.
  • 雑誌名: Acta Crystallography 58 ページ: 1862-1864
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [図書] NMR分光法-原理から応用まで 測定法シリーズ41 (2004)
  • 著者名/発表者名: 西村 善文
  • 出版者: 日本分光学会
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [図書] 文部科学時報 (2003)
  • 著者名/発表者名: 西村 善文
  • 出版者: ヒトゲノム解読完了を受けたライフサイエンス研究の今後について
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [産業財産権] テロメアタンパク質TRF2DNA結合ドメイン変異体タンパク質、テロメアDNA変異体及びTRF2DNA結合ドメインと二重らせんDNAとの複合体構造の利用 (2005)
  • 発明者名: 西村善文
  • 権利者名: 西村善文
  • 産業財産権番号: 2004-046238
  • 出願年月日: 2005-02-21
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [産業財産権] タンパク質とDNAとの複合体の結合の強さを定量的に解析する方法及び装置 (2004)
  • 発明者名: 西村善文
  • 権利者名: 西村善文
  • 産業財産権番号: 2004-027060
  • 出願年月日: 2004-02-03
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [産業財産権] テロメアタンパク質とグアニン-四重らせんDNAと複合体 (2004)
  • 発明者名: 西村善文
  • 権利者名: 西村善文
  • 産業財産権番号: 2003-032233
  • 出願年月日: 2004-02-05
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [産業財産権] ヒトTFIIEαの新規な亜鉛結合ドメインの構造的特徽及び機能 (2004)
  • 発明者名: 西村善文
  • 権利者名: 西村善文
  • 産業財産権番号: 2004-055645
  • 出願年月日: 2004-03-01
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [産業財産権] 神経特異的遺伝子発現に必須なアミノ酸配列 (2004)
  • 発明者名: 西村善文
  • 権利者名: 西村善文
  • 産業財産権番号: 2004-267770
  • 出願年月日: 2004-09-15
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [産業財産権] 出芽酵母CHD1クロモドメインの製造方法及びその核磁気共鳴スペクトルの利用 (2004)
  • 発明者名: 西村善文
  • 権利者名: 西村善文
  • 産業財産権番号: 2004-311481
  • 出願年月日: 2004-10-26
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [産業財産権] 核酸の立体構造を推定する方法 (2003)
  • 発明者名: 西村善文
  • 権利者名: 西村善文
  • 産業財産権番号: 2003-428892
  • 出願年月日: 2003-12-25
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] 西村 善文: "DNA・RNAヌクレオチドの合成と代謝"化学と工業. 第56巻. 541-544 (2003)
• [文献書誌] 西村 善文: "DNA二重らせん構造の歴史"蛋白質・核酸・酵素. Vol.48. 707-717 (2003)
• [文献書誌] 西村 善文: "NMR分光法-原理から応用まで"日本分光学会. 269 (2003)
• [文献書誌] 西村善文: "情報伝達におけるドメイン構造の多様性と認識の普遍性"実験医学増刊. Vol.20. 72-81 (2002)
• [文献書誌] 奥田昌彦, 西村善文: "転写における構造生物学"蛋白質・核酸・酵素. Vol.47. 926-940 (2002)
• [文献書誌] 西村 善文: "タンパク質のドメイン構造-機能ドメインと構造ドメイン"実験医学増刊. Vol.20. 24-32
• [文献書誌] 西村 善文 (分担執筆): "ここまで判った形づくりのシグナル伝達 (竹縄 忠臣、帯刀 益夫 編 p、72-81)"羊土社. 278 (2002)
• [文献書誌] 長土居 有隆, 西村 善文 (分担執筆): "NMR分光法 (阿久津 秀雄、島田 一夫、鈴木 栄一郎、西村 善文編 p153-160、p207-233)"学会出版センター. 269 (2003)
• [文献書誌] Hanaoka, S.: "NMR structure of the hRap1 Myb motif reveals a canonical three helix bundle lacking the positive surface charge typical of Myb DNA binding domains"J. Mol. Biol.. 312. 167-175 (2001)
• [文献書誌] Nishikawa, T.: "Solution Structure of a Telomeric DNA Complex of Human TRF1"Structure. 9. 1237-1251 (2001)
• [文献書誌] 西村善文(分担執筆): "ここまで判った形づくりのシグナル伝達 (竹縄忠臣, 帯刀益夫 編、p.72-81)"羊土社. 278 (2002)
• [文献書誌] 西村善文(分担執筆): "基礎生化学実験法第3巻タンパク質I検出・構造解析法(日本生化学会編、p.203-226)"東京化学同人. 282 (2001)